舞台「ケイ×ヤク」BL漫画原作の舞台 立花裕大×長田光平 [舞台]
舞台CONTEMPORARY STAGE「ケイ×ヤク」 2023年7月
★★★★★(個人評価 ★多めならおすすめ)
Mixalive TOKYO Theater Mixa(池袋)
原作 薫原好江
脚本・演出 川名幸宏
音楽監督 森優太
出演者
立花裕大(国下一狼) 長田光平(英獅郎)
三年前に失踪した先輩を探し続ける警視庁公安部の捜査官国下一狼。
失踪事件の捜査から外された一狼はヤクザの幹部である英獅郎に接触する任務を命じられる。
獅郎はヤクザの幹部であり、政治家相手に男娼をしている。
その獅郎は失踪した先輩の弟だった。
一狼は獅郎に二人で組み事件の真相を探ろうと提案する。
怪しまれないために二人は恋人同士の振りをし同居を始める。
最初、舞台の発表があったときにコンテンポラリーステージと銘打っていて、一体どんな舞台なのだろうとわくわく。
幕があがると今まで観たことのない世界が広がっていた。
たった二人だけのお芝居。
そこにバイオリンとチェロの生演奏が重なる。
そしてダンサー二人によるコンテンポラリーダンスが組み合わさっていく。
このダンサーさんたちの動き、ダンスによって二人の関係性が変化していくさまが描かれる。
ダンサーさんたちはセリフはまったくない。
動きだけで表現。舞台上に置かれた箱を移動するのもダンサーさんたち。
数個の箱が温泉だったり部屋だったりベッドだったりキッチンだったり車だったり、様々な背景や大道具に変化していく。
その舞台上に立ち大量のセリフで演技するのは立花裕大演じる国下一狼と、長田光平演じる英獅郎の二人。
ストーリーは原作漫画に沿って進んでいく。
ただし!!
ここがびっくりしたのだけれど、物語としてはなんの解決もないままにぷっつりと終わる。
つまり先輩の失踪事件に関わる人物を調べだし、どうやら大物政治家が関係していると判明した時点で終了。
え?これで終わり?と初見ではびっくり。
でもよくよく考えると、この舞台、二人の関係性、二人の感情の変化、が語られているのだと気づく。
ダンサーさんが影のように二人の感情をダンスで表現する。
そしてセリフと演技で一狼、獅郎の二人が徐々に心を開いてお互いを信頼する過程が丁寧に描かれる。
あくまで事件が主ではなく、運命的に知り合った二人の感情そのものを描く舞台なのだ。
お互いに孤独に育ち、心の拠り所であった先輩(姉)を失いその行方を必死に追うことでなんとか生きようとしている二人。
公安とヤクザという正反対の二人ではあるが魂が同じ孤独に苛まれた二人。
その二人が徐々にお互いを信頼し合い、事件という繋がりだけではない孤独を癒してくれる相棒になっていく。
観終わって放心状態。
良かった、良かったね。お互いに良い相手が見つかって…みたいな感情が溢れた。
初日は大量のセリフに必死で感情をのせきれてない感じがしたし、セリフも噛んでたり、観ていてちょっとはらはらしちゃったわ。
それでもちゃんと二人の感情は読み取れたし、ダンサーさん、生演奏、どれもが相乗効果で二人を盛り上げてて素晴らしかった。
日が経つにつれセリフを噛むこともなくなって、どんどん感情が自然になっていきお互いの掛け合いの息がぴったりになっていくのは感動したわ。
舞台はなまものっていうけど、それを実感。
主演二人に余裕が出てきたのが千秋楽では感じられた。
私の推し、立花裕大の初主演舞台。
なんか心に残る舞台で良かった。
舞台上でシャツを脱ぐシーンが二回もあって、声なき悲鳴をあげてしまったわ。
細マッチョで美しい肢体を惜しげもなく見せまくってくれた推しに感謝。
W主演の相手、長田光平くんも美しかった。
原作も軽いBLだけど、舞台も軽いBL。
誰でも抵抗なく観れると思う。
どちらかというとBLというよりかは心友という感じ。
恋愛感情じゃないもっと深いところで繋がる感じで。
真面目で堅物で優秀、でも柴犬好きで可愛い部分も持ってる国下一狼。
立花裕大が演じて良かった。役柄にぴったりすぎたわ。
推しの初主演舞台がケイヤクで良かったな。と思える舞台でした。
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