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本「感染捜査」2020年東京オリンピック前に狂犬病から変異したウイルスが発生! [本]

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「感染捜査」 著者 吉川 英梨

★★★★★ (個人評価 ★多めならおすすめ)

20206月東京。東京オリンピックを目前に首都は浮き立っていた。
そんな時お台場のレストランで殺人事件が発生。
現場は凄惨そのもの。
生存者によると突然家族同士で喰い殺しあったという。
同じころ、豪華客船の中でも同じような事件が…。

感染捜査

感染捜査

  • 作者: 吉川 英梨
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2021/05/25
  • メディア: Kindle版

これはほんとに面白かった。
今まで読んだゾンビ小説の中でも上位!!!

主人公は女性刑事。
上司に歯向かう熱血刑事だ。
彼女は自分を攻撃してきた犯人を射殺するという過去を持つ。
トラウマにより射撃ができなくなっている。

時節は東京オリンピック前。
そして恐ろしい事件が起こる。
人が人を喰い襲いあうという凄惨な事件だった。
そこでの生存者の少女は、正義のヒーローが来てみんなを撃ち殺してくれたという。
女性刑事はその撃ち殺した奴が犯人だと追い始める。
同じころ、豪華客船内でも死んだはずの人間が人を襲うという事件が発生する。

東京オリンピック開催前の新型ウイルス発生。
まるでコロナそのもの。
それもあって余計に興味深く読めた。

主人公の女性刑事。
突っ走る癖があり、上司の命令をあまり聞かない。
ドラマじゃそれでうまくいくんだけど、この小説じゃあまりうまくはいかない。

港で不審船に乗り込み薬物を探すが不発。
首謀者とみられる人物を追うがこれも逃げられてしまう。
上司からはこれ以上の捜査はやめろと指示されるが独自捜査を始める。

まぁいらいらしますわ。
ドラマじゃいいけど、これ現実に正義感だけで動く刑事がいたら迷惑なんだな、とわかったわ。

数日前に海上保安官が潜水中に行方不明になる事件が発生。
豪華客船で旅行をしていた元上司は心を痛めていた。
その海上保安官が居なくなった領域を客船が通ったときに、なんと元上司は彼(行方不明になっている海上保安官)が必死で泳いでいるのを発見!(いやこれはないやろ)
急いで救助に向かうが、腐り果てているように見えるソレに噛まれてしまう。

感染捜査2.jpg

そりゃ助けるわな。
泳いでる人がいたら。
けどさ、腐ってるねん、見た目。
いやそれでも救助はするか…泳いでるんやもんな。
小説の中でずっと悩まされるのが、感染者を人間として、ウイルス感染した患者だとして扱うか否かの判断。
確かにウイルス感染で低体温になり心臓もほぼ動いていない状態。
つまり完全に死んでいるとは言えない状況。
それを危険だからと撃ち殺していいのかどうか。
案の定政府は、頭を撃って殺すのは厳禁と法令を出す。

一応ウイルスについても説明はあり、もとは狂犬病ウイルス。
それが変異を繰り返し、今のウイルスとなった。
深海魚がそれを保有しており、魚同士の感染の過程でどんどん変異していった。
深海魚釣りが趣味のレストランの店主が保有主の魚を釣り上げ、客に提供。
その結果、客同士が喰いあうという事件に発展したという。

前出した海上保安官も潜水中に事故に遭い、そのウイルスに感染したとみられる。
なぜ深海魚がそのウイルスを保有しているのか…についてもちゃんと説明がある。
大抵のゾンビ小説って、ウイルスの出どころについてはあいまいだったり、研究所から漏れ出したとかそんなもん。
しっかり説明しようとしてるとこが好感持てた。
まぁ多少強引なこじつけがあったとしても、それなりに納得できる理由だったしね。

東京オリンピック前ということもあり、政府は絶対にこのウイルスを蔓延させるわけにはいかなかった。
まぁ普段でも蔓延させるわけにはいかんけども。

陸上では今のところ深海魚を釣ったレストランのみで感染は抑えられた。
突然入ってきて感染者を殺しまくった男のおかげで。
感染者とはなかなかわからず、この男が異常犯人扱いされるんだけどね。

豪華客船の内部だけで感染者が抑えられている現況、その船を感染者隔離場所として使うことになる。
そして、警察官、海上保安官、特殊部隊等で乗り込み警備することになる。

感染捜査.jpg


その総責任者が来栖光という人物で、なかなか魅力的。
なぜかその船に前出の熱血女性刑事も警備を任命され乗り込むことになってしまう。
どうやら責任者、来栖の指示で。

このあたりの理由等もちゃんと明かされるからすっきり。
船という閉鎖空間で巻き起こるパンデミック。
もし、船から感染者が海に逃げ出してしまったらたちまち海洋にウイルスが広まることになってしまう。
感染者は痛みを感じず、冬眠状態の身体状態のため非感染者より何倍も長く生きる(といえるかどうかは別として)。

もう一気読みしたわ。
面白すぎて。
どきどきはらはらわくわくが止まらない。

主人公の女性刑事にはほんといらいらさせられた。
感染者に対して何もできないのもそうだし、銃で撃つことに反対したりするからね。
確かに感染者はもしかしたら治療できるかもしれない。
そういう可能性が残されているのだから殺してしまうのはダメだという理屈はわかる。
たぶん、実際にこんなウイルスが出てきたら同じ論争が巻き起こるに違いない。

襲ってくる感染者に対しどうするのがいいのか。
専門家は変異スピードが速いため治療法はないという。
対症療法しかない。
けれど狂暴化し、痛みも感じない、手足がもげても追ってくるような感染者に対し逃げるしかないのは無理がある。
これほんと悩ましいと思う。
感染者がもし身内なら、撃ち殺されたらたまらないもん。
病院に入れて治療してほしいと願うのは当たり前のこと。

なんか、ゾンビもので感染者の人権を追求した小説は読んだことなかったから斬新だった。
完全に怪物ものとしてしか扱ってなかった小説ばかり。
生存者を守るのか、感染者の人権を守るのか、こんな選択無理だよね。

その意味では、責任者の来栖の判断は尊敬できる。
今何が一番重要か、の判断の元に感染者を躊躇せず殺す。
冷酷無比に見えるけど、彼にも彼なりの理由があった。
生存者を守る、そしてウイルスを絶対に外に出さない!この信念のもとに行動する。

豪華客船でのパンデミックはどうなるのか、来栖は、女性刑事は?
そしてラスト近くに判明する事実。。。。
ほんと面白いので徹夜覚悟で読んで欲しい。
そしてゾンビは人か否か…を考えるのもまたいいのかもしれん。。。


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本「英雄の書 下」兄を探すため物語の地へと向かうユーリに試練が! [本]

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「英雄の書 下」 著者 宮部 みゆき

★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)

同級生を殺傷し行方不明になった兄を探し、オルキャスト(印を戴く者)として物語の地、ヘイトランドへ向かったユーリ。
そこは英雄が記されているエルムの書、発祥の地だった。
英雄を追う”狼”アッシュと共に、従者のソラ、赤い本のアジュと英雄を追うユーリ。
しかし過酷な運命がユーリを待ち受けていた…。

英雄の書(下) (新潮文庫)

英雄の書(下) (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/06/27
  • メディア: 文庫

ようやく後半になって、普通のファンタジーっぽくなってきたかな。
物語の世界へ入ったからかも。
でもやっぱりなんていうか、輪(サークル)だったり、紡ぐ者だったり、理解の範疇を越えてる部分がたくさんある。
それでも上巻よりかは、冒険っぽくて読む速度は上がったな。
まぁイケメン神父が登場したってのもあるのか(あるのか?)
本の背表紙に、驚愕の真実が明かされる!みたいな事が書いてあって、ああ、なんとなくわかってもた…と。
最初からそうじゃないかと思ってたことが、その通りで、期待通りで嬉しいような哀しいような複雑な気持ち。

しかしお兄ちゃんが可哀相すぎるな。
元はいじめられていたクラスメートをかばったことで、先生から嫌われてしまい、その先生の傀儡ともいえる同級生に自分がいじめられるようになったと。
それでもナイフで刺したらあかんやろ…。
まぁそれは英雄に憑りつかれたから…という理由付けはされてるけどね。
怒りを内に抱えていたため、英雄の影の存在に眼をつけられてしまったらしい。
確かに、怒りとか憎しみとか嫉妬とかを抱えてしまって、それが大きくなりすぎたら、思いがけない行動に出ることもあるかもしれんね。
まぁ、そこはいいとして(いいんかい!)。

兄が事件を起こしてからずっと行方不明…となると、両親はきついねぇ。
理由もわからないまま、生死もわからない、罪を償わせることもできない、これはきつい。
だからこそ、ユーリは兄を連れ戻すために別世界へと行かなければならなかったんだけどさ。

ラストは納得いくようないかないような。
英雄を封印しないんかよ!という中途半端感があったわ。
ユーリの使命…というものが明らかになると、ええええ~めっちゃ身内ごとやん。
まぁいいけどさ(いいんかい)。
どうやら続編があるらしく、ラストもそんな感じで終わる。
だから余計に中途半端感が感じられたんやね。

冒険とかファンタジーにつきものの怪物も出てはくるけど、いまいち姿かたちが想像できない感じ。
それにターゲットがやっぱりよくわからない。
児童書にしては難しすぎるし、内容も結構グロかったりするし。
まぁ変わった結末やなぁとは思った。
ハッピーエンドでは決してないし、バッドエンドとも違う。
ただところどころうなずけるセリフがあったりもした。
独りの子供が己の意に染まぬものを殺す世界は、万の軍勢が万の民衆を殺す世界と同じこと、とかね。
一が万、万が一、ということ。
それでも、良い事をしようとした兄が結果的に殺人者となり、咎を受けるというのも可哀相な気がしてならないわ。
だからと言って人を殺していいわけないんだけど、それでも苛めがある現実が悪いんだと思えてならないもんな。

ファンタジーの形を取ってはいるけど、現実社会の問題、苛めを取り扱ってるのは戦争ほど多くの命を奪うわけではないけれど、一人の人間の生死を左右するという意味では戦争と同じ悪なのだと言いたかったのかな。
第三者から見たら苛めは悪いことで醜い事で終わるかもしれん…でも当事者からしたら生死の問題になったり、それこそ相手を殺すしかない…とこまで追いつめられる場合もあるだろうね。
今のように、先生が見て見ぬふりをする学校の現状では苛めは絶対なくならないだろうね。
苛めがあったとしても学校側は知らなかった、気が付かなかったで終わらせるだろう。
これからもっともっと学校側はシビアな対応しかしなくなる気がする。
学校は勉学を教える場、人間形成は保護者側でやってください、みたいな。

結局自分の身は自分で守るしかないのかもしれない。
精神的に強く育てなければならないんだろうな。
苛められた時に、死を選ばず、復讐も選ばず…。
難しいね、逃げるしかないってこと?
苛め問題は兄の事件のきっかけとして描かれるだけで、詳しく書かれているわけではない。
だけど、根本にはそれがあって、色々考えさせられたな。

英雄の書3.png

ファンタジーとしてはクトルゥー神話を元にしているとあとがきにあった。
善と悪の戦いやね。
物語を紡ぐというキーワードでここまで世界を広げられるんだから、やはり作家さんはものすごいな。
でもちょっと世界観が複雑すぎて理解しがたい部分があったので★は3つ。
上巻よりは下巻の方がスピード感が増して面白かった。

 

 



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本「英雄の書 上」人を刺し行方不明になった兄。彼は英雄に魅入られたというが。 [本]

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「英雄の書 上」 著者 宮部 みゆき

★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)

小学五年生の森崎友理子はある日突然小学校から家に帰るように言われる。
中学生の兄、ひろきが、人を刺して逃げたというのだ。
そしてそのままひろきは行方不明となる。
優等生で人気者だった兄に一体何があったのか…。
加害者家族となった友理子は小学校に行けなくなってしまう。
そんな時、友理子は兄の部屋にあった本から語りかけられる。
兄は「英雄」に憑りつかれてしまったのだと。
一体どういうことなのか。
友理子は兄を救い出すため冒険の旅へと足を踏み入れることになる。

 

英雄の書(上) (新潮文庫)

英雄の書(上) (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/06/27
  • メディア: 文庫

主人公が小学五年生。
でも全然子供っぽくはない感じ。
ただのファンタジーかと思いきや、兄が人を刺すというシビアな事件が起こってしまう。
そして「英雄」に憑りつかれた兄を救うべく、本たちの力を借りて友理子は不思議な世界へと足を踏み入れることになる。

世界観は好き。
本がいろいろな知識を持っていて、それに助けられるというのもイイね。
なのになんだかのめり込めず、読むのに時間がかかる。
友理子は本の力を借りて”無名の地”と呼ばれるところへ向かう。
そこで封印されていた「英雄」が逃げ出し、悪さをしているらしい。
たまたま英雄に眼をつけられた兄はそこから異変が起こったようだ。

英雄の書2.jpg

まず、無名の地というのがなかなか頭に入ってこない。
物語を紡ぐ…というのはわかるし、輪というのもなんとなくわかるんだけど。。
咎人たちが永遠に輪を回し続けるということに、友理子は罰という認識を持って、可哀相すぎると感じる。
私も同じように感じてしまった。
彼らが全員同じ姿をし、同じ考え方をするのだというところでつまづく。
なんていうか、ファンタジーというのはどこまでその世界観に共感し、理解し、なんとなく自分の思っていた感じと似ている…というのでのめり込める気がする。
でも、この小説の場合、言ってる事が深すぎるのか、なんとなくの理解ができない。
????と読んでる間中、うーん、どういう事?みたいに眉をしかめながら読む感じ。
これではのめり込めないわな。
中学生でどうやら人気者だった兄が起こした事件、これも後半で理由が判明するんだけど、どうなのかなぁ。
上巻を読んだだけではまだまだ理解できない。

英雄と呼ばれるものは表裏一体で光と影でできている。
光が強くなればなるほど影も強く濃くなっていく。
それは切り離すことができない。

英雄として崇められ尊敬された英雄は、その裏に大きな影を持っているということ。
その影の部分が人間に憑りつくと、憑りつかれた人間は暴力的になり人に害をなしてしまう。
この辺りもね、わかるようなわからないような。
すんごく壮大な物語なんだよね、これ。
人の世としての輪(サークル)があり、物語がぐるぐるその中で生まれ語り継がれ回っていると。
こういう説明を本がするんだけど、なんとなくでも理解できた感じがしない。
主人公が小学五年生だからもう少し単純にしてほしいわ。
いや、説明はわかりやすくなってるんだろうけど、私が理解できん。
てっきり子供が読める小説かと思いきやこれは無理ちゃうかな。
それとも子供の方が柔らかい頭で理解しやすいのかなぁ。

とっかかりがそれなので、小説にのめり込みずらかった。
ファンタジーであっても、ある程度自分の中にある知識で理解できる範疇にないと、ただただよくわからんな…と思いながら読むことになってしまう。
ただ下巻はもしかしたらもう少しわかりやすいかもしれない。

案外主人公が小学五年生の女の子ということで余計にのめり込めないのかもしれんね。
勇敢だけど、怖がる部分もあったり、でもすごく大人な考え方をしたり。
あんまり小学生に思えないところもあかんのかな。

この世界にのめり込めるといいなと思いつつ、下巻を読みたいと思いますわ。
英雄に憑りつかれ事件を起こした兄、兄を救うために違う世界に行き、英雄の影の部分と戦う少女。
児童小説でもないような気がするし、大人向け…って感じでもない中途半端さが違和感を呼んでるような気もする。
ラストはハッピーエンドであることを信じて読み進めてみますわ。

 

 



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本「祝もものき事務所2」やる気のない所長の元に変わった依頼が…。 [本]

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「祝もものき事務所2」 著者 茅田砂胡

★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)

やる気の全くない調査事務所所長、百之喜の元に来た依頼。
それは、自分が助けた(たぶん)相手が無事かどうか調べてほしいとのことだった。
倒れた糖尿病患者にインシュリンを打とうとした人を見ておかしいと感じ、思わずそれを阻止したのだという。
それが不安で本当に彼は助かったのかどうか調べてほしいらしい。
簡単な依頼だと喜んだ百之喜は優秀な秘書の働きでその糖尿病患者を探しだしたのだが、その彼はどうやら命を狙われているようで…。

祝もものき事務所2 (C★NOVELSファンタジア)

祝もものき事務所2 (C★NOVELSファンタジア)

  • 作者: 茅田砂胡
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/07/04
  • メディア: Kindle版

シリーズ二作目。

二作目でもやっぱり所長の百之喜はあまり活躍していない、、ように見える。
とにかく秘書が優秀で彼女のおかげで事件調査がさくさく進んでいく。
人柄は良さそうだけど、まだ彼がどうしてここまで周囲の人間に助けてもらえるのか…の魅力がそこまで感じられないなぁ。
そのうちわかるんだろうけど。

今回は、自分が助けたはずの人が本当に助かっているかどうか調べてほしいという依頼。
昔糖尿病の猫を飼っていた関係で、倒れた糖尿病患者に対して多量のインシュリンを打とうとしている人を見過ごせなかったらしい。
それを止めたことが果たして本当に良かったのかどうか不安で、彼が助かっているかどうか気になって仕方ないという。

確かに自分の生半可な知識で本当に大丈夫かどうか、自信持てないよなぁ。
とっさに判断して注射を止めたというのがもう怖いわ。
私なら絶対無理。見てるだけだろうな。。

優秀な秘書のおかげですぐその患者は探し出せたんだけど、どうやら彼は命を狙われているらしいとわかる。
平凡そうな彼を殺したがるのは一体誰なのか…ということなんだけど。。

遺産がらみのお話なんだけど、あまりにすごすぎてちょっと話についていけない感が。。
あっちもこっちもお金持ち…というね。
多額の遺産が入るというのに、自分で稼いでいるからいらない…とか。
いやいやいやあまりに庶民とかけ離れているでしょ。
ちょっとついていくのに苦労したわ。
あまりに共感できなすぎて。

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大金持ちの一家に嫁いだ女性の話が出てくる。
ブランド物を身につけろと、買い与えてくれる。
一週間に一度はエステ、美容室。
アクセサリーから洋服まで買い放題。
その大金持ちの旦那はイケメン、高身長、エリート、優しい。
1mmの不満もないだろうと思う結婚相手だったが離婚したという。
自分の好きなものを身につけさせてもらえない、つまりは本当に愛しているわけではなくただただ所有物として見られているだけだったと。
妻の気持ちなど考えもせず、自分の常識を押し付けてくるイケメン旦那。
結局女性はそんな周囲からみたら理想的な旦那と離婚してしまう。

 んん~。そんな目にあったことないからわからんけど、やっぱり嫌になるんだろうか。
私は自分のセンスに自信がないから旦那が言うとおりにするのが苦痛ではないとは思う。

どうだろなぁ。。全然かまわない気もするし、自由がないような気もするし。
家事もお手伝いさんがいるから何もしなくていい。
……理想の結婚なような気もしなくもない…。
わからんけど。一生そんな相手と過ごすことを思えば…いやいやでも愛情なんてどうせ冷めるしお金はあったほうがいいし、、と私だったらという妄想を繰り広げてしまったわ。

このイケメン金持ちと離婚した女性と、命を狙われている男性は恋人同士。
他にもいろんな人々が出てくるんだけどどの人も個性的で良い人が多い。
嫌な人と良い人とがはっきり分かれている小説。
どの人もお金に困っていない…。
いや、命を狙ってる側はお金に困っているんだけどね。

 

これだけ持ってるし、自分で稼ぐから何億もの遺産はいらないわ~といえる人が果たしてどのくらいいるのか…といえばほぼいないんじゃないかとは思うけどね。
お金持ちだってもっとお金欲しいでしょ。
いらないの?いらないのかな?いるよね?
お金持ちになったことがないので理解不能な領域。
私なら多少やっかいな親戚がいたとしてもほしい!!
誰かください!遠慮なく送ってください!

 

このシリーズの一巻もそうだったけど、意外な人物が犯人。
いやそうでもないかな?わかりやすいかな?(どっちやねん)
推理小説とは言えないかもしれないけど、一応ミスリードもあるし、悪い人たちはきちんと悪い人たちだと判明するしで、気持ちの良い決着がつく。
読んでいて楽しい。

まぁ遺産がどうのこうのとか、そないみんな金持ちなんかい!!とか、あまり一般人には理解できないパターンではあるけど夢がある…と思う。
途中で、ふつーの女の子が出てくる。
まぁ嫌な女の子として出てくるんだけど。
この子は彼氏がお金持ちだと思って付き合ってる。
遺産が入るから、お金あるから楽できると思って結婚したがってる。
それは周囲にバレバレなくらいあからさま。
わかってないのは、狙われているお人よしの彼氏ただ一人。
でもそっちの女の子の方が共感できたわ、なんなら。
私がそっち側やからね。
ほかの登場人物はあまりに良い人やし、お金に執着してないし、で共感できんかった。

 もものき2‗2.jfif

共感できるできないはともかく人物に魅力があるので読み進みやすいし、良い人は良い人だし(当たり前)読んだあとのすっきり感が気持ち良かった。

茅田砂胡さんの小説は面白い。
私の好みに合ってる。
好き嫌い別れるかもしれんけど、軽いノリの推理小説を読みたい方におすすめ。

 私の家ではこれAir使ってます。ほんとに便利。↓



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