本「老い蜂」老爺にストーカーされた恐怖… [本]
「老い蜂」 著者 櫛木 理宇
★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
アパートの部屋をどんどんとたたく老爺。
なぜずっと付きまとってくるのだろう。
警察に言っても「大目に見てあげてくださいよ、相手はお年寄りなんだから」と相手にされない。
この恐怖は男性にはわからない。
ある日突然現れた不気味な老人。
病んでいく女性。
そして事件が起こる…。
【少しネタバレします未読の方は注意】
ある日突然老人に付きまとわれる女性。
友人に相談しても、相手は老人だから…と恐怖をわかってもらえない。
確かに普通の男性にしたら、よぼよぼの老人なんて恐怖の対象にはならない。
簡単に力でねじ伏せられるんだから。
でも女性にしたら…。
気持ち悪さと、何をするかわからない不安、いくら老人とはいえ力で勝てるとも限らない。
これは怖いわ。。。
普通にストーカーに追われるのももちろん怖い。
けど老人にストーカーされるのも怖いよ、絶対。
目的がわからんし、もし性的目的があるなら気持ち悪さの極致だもんな。
通常、高齢者には親切に…というエチケットが身についてると思う。
席を譲るのもそうだし、困っていたら助ける…みたいな。
お年寄りに強い態度で出られる人は女性には少ないんちゃうかな。
そこに付け込まれて付きまとわれたら…。
最初、老人のストーカーから始まる。
女性の恐怖はわが身に起きたら…と置き換えてしまうからほんとに怖い。
そこから、だんだん20年前の女性連続殺人事件へと繋がっていく。
謎ばかりの序盤。
そして途中で、老人の目的がわかる。
そこまでは理解できるし、確かにそうなってもおかしくはない…とも思える。
実際に憎んだ相手ではなく、その子供や孫に嫌がらせするのは巧妙だとは思うけど。
どんどんつながりが判明していき、犯人も判明したかに思えるんだけど…。
途中まではほんとに翻弄されたわ。
この人とこの人の繋がりって??とか、じゃなぜここでこんなことが起こったのか?とか少しずつわかってくるんだけど、それがまた一筋縄ではいかないというか。
ストーカー犯罪の話かと思ったら、それも絡めて復讐劇へと変わっていく。
誰が誰に復讐するのか。。。
犯罪被害者の家族の苦悩が描かれている。
被害者は犯人が逮捕されたあともずっと苦しむ。
ましてや、その犯人が数年経って普通に外にでて暮らしてたら…。
たまらないやろな。。
犯罪関係者は、それが加害者側であっても被害者側であっても苦しむことになるってことやね。
なんか、可哀そうだ…と思う人たちがいっぱい出てくる。
もちろん、自業自得やろ…みたいな人もいるけど。
苦しみはわかるし、復讐したいという気持ちもわかるな…と思いながら読んでた。
しかし!!!
ラスト!!!!
いやいやいやいや私には納得いかんわ。
お前がやってたんかい!!!みたいな。
お前が復讐するのは違うやろ!!!みたいな。
そもそも、あんな人間が復讐するか??と疑問がわいたわ。
そこまで愛情持ってたんか?
なんか違和感だったし、納得いかない犯人でした・・。
ただ、姉を殺された刑事さんの話はすっきり。
ここは読後感良かったわ。
あ~良かったと嬉しかった。
けど導入からずっと引き込まれたし、どきどきはらはらしたので面白い小説です。
もしかしたら犯人も理解力のない私だから納得できんのであって、他の人ならなるほどって思ったのかも。。。
もし、そうならすみません(作家さんとみんなに)。
犯人以外はほんっとに面白かったので、読んでみてください。
一体誰?なぜ?とか繋がりとか全然わからなかったので。
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