本「死に至る街」異常な事件、唸りを上げ様子のおかしい野犬たち…一体なにが。 [本]
「死に至る街」 著者 大石 英司
陸上自衛隊特殊部隊の隊員である御堂は休暇を取り久しぶりに故郷に戻ってみた。
幼い頃通った小学校はすでに廃校となっていたが訪れてみることに。
すると校庭には異常な行動をする野犬の群れが待ち受けていた。
廃校にはフィールドワークに来ていた中学生たちと引率の教師が逃げ込んでいた。
彼らを守りつつ廃校から逃げ延びることができるのか。
同じころ、人を襲う異常なふるまいをするものたちが次々と発現、一体この街に何が起こっているのか。
自衛隊特殊部隊、めちゃくちゃかっこいいんですけど!!!
とりあえずのっけから異常者の犯罪から始まる。
北海道にて朝には普通だった幹部自衛官が突然乱心。
警官から銃を奪い二名の警官を射殺、マンションに立てこもった。
ここで陸上自衛隊特殊部隊の登場となる。
警察では手に負えない事件のため秘密裏に行動する。
これが事件の始まりだった。
いくつかの異常事態が起こっていることから何らかの感染症が疑われた。
国立感染症研究所からも博士が召喚される。
犯罪を犯したものの行動からあきらかに脳が侵されていると判断し、ある病気が疑われた。
しかしそれにはあまりに発症が急激すぎる。
これはあれやな、と。
発症者は光を嫌がる。そして水がだめになる。
これはもうあれやん、あれしかない。
日本では絶滅したと思われている感染症やん。
ただ、感染したからといってここまで異常なふるまいをするとは思えないので、博士たちも悩むことになる。
それが御堂のふるさと、廃校のある街だった。
こういう立てこもり、大好物なんですけど!!!
もともと通っていた学校なので御堂も色々詳しかったりする。
そして彼は陸上自衛隊特殊部隊の隊員。
サバイバルも得意。
もう安心しかない。
彼らはもう安全。読んでた私がめちゃくちゃほっとしたわ。
これがもうまさしくゾンビとしかいいようのない人々。
高熱を発しているため服を脱ぎ裸になっている。
四つん這いで走る。
人に嚙みついて殺してしまう。
痛みを感じない。
けどゾンビじゃなくて感染者だからね。
まぁみんな殺すのにあまり躊躇しないけども。
自分が殺されてしまうから仕方ないんだけどさ。
殺すのを躊躇するやろ、普通は。
いや、普通がなにかわからんけどさ。
わりに、みんな自衛のためとはいえ平気で殺すね。
そこで火事場泥棒(みたいなもんやな)が現れてお金持ちの家を襲う。
こいつらがまぁ元凶なんやけどね。
想定外のことが起こったために、予定が狂ってしまったらしい。
日本人って大人しいと思ってたけど、人が苦しんでるときにそういうことする人たちもいるってことや。悲しいことやけどね。
想定される病気はあるけど、症状があまりに過激すぎてこれは自然発生したものではないと判断される。
戦争のために作るやつもいるし、まぁ理由はどうあれ人間を殺すために作るのは同じ。
けど結局は人間が制御できなくなるのは目に見えてるやん。
一体どうなるの?野犬に囲まれた廃校からどうやって逃げるの?
あ、仲間が来た!もう安心や!さすが!!!危ない!!
みたいな。
野犬って今はあまり見かけないけど、なぜこんなにいるのかというとちゃんと理由がある。
違法ブリーダーがいて犬を檻で何十頭も飼っていたのだ。
結局多頭飼いは崩壊し、かわいそうな犬たちが取り残された。
ボランティアの人たちが面倒見てはいたけど、数が多すぎてなかなか保護しきれなかったという。
虐待やん。
涙出るわ。一生を狭い檻の中で過ごし、病気も放置され、ただただ子犬を生まされる。
地獄や。考えるだけで身体が震えるわ、かわいそうすぎて。
特殊部隊もかっこいいし、読みたかった小説はこういうやつ!と思った。
今回活躍した陸上自衛隊特殊部隊サイレント・コアが登場する小説が他にもあるよう。
ちと探してみよう。
最後どうやって決着つけるのか、読んでのお楽しみです!!
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