本「祝もものき事務所3」どうして頼りない所長の元に優秀な補佐がつくのか… [本]
「祝もものき事務所3」 著者 茅田砂胡
★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
やる気の全くない調査事務所所長、百之喜。
頼りなくて意思薄弱で怠け者で甘えん坊。
どうしてこんな彼の元に優秀な秘書がついてくれているのか。
また彼の幼馴染はどうしてこんなにも彼を助けようとするのか。
彼らの過去のお話。
シリーズ三作目。
今回は、幼馴染の四人がいかにして百之喜の能力に気が付くに至ったかと、彼らの巻き込まれた事件について過去が語られる。
これでようやくなんで彼らがこんなにも百之喜を助けようとするのかが理解できるお話となっている。
まぁあっさり言ってしまえば、彼らのピンチを百之喜が異様な能力で助けてたというね。
彼らはそれを恩に感じている、もしくは少し罪悪感を持っているという感じ。
当然それだけで関係がずっと続くわけではないので、百之喜の頼りなくも正直で素直でまっすぐなところが好きだからでもある。
幼馴染ってほんと特殊だと思う。
兄弟に近いけど他人で、でも親兄弟よりも知っている部分もある。
あまり気を遣わなくていいけど、ちゃんと身内へような思いやりも必要。
隠すものがない、というのが一番安心できる関係ではある。
まだ小さくて自分を飾ることも知らない間をお互いが知っている。
これは大きい。
失敗も弱い部分も、過去に遭ってきた悲しみも、そして喜びも知っている。
お互い知っているからこそ、何も言わなくてもわかりあえる関係。
いいな~。私が小さいころずっと一緒に遊んでいた相手は二人とも男の子(笑)
周囲に同じ年の女の子があまりいなかったんだろな。
あと親同士が仲良しだと子供は常に一緒に遊ぶことになる。
ま、異性だったので小学校低学年までだけどね。仲良かったのは。
いつの間にかお互い同性の友達と遊ぶようになった。
だから百之喜がすごくうらやましいわ。。。
兄弟が四人いるようなものだもんな。
女性同士だとどうなんだろ。。
ここまで心開いて打ち解けることはないのかなぁ。
なんか女性同士だとどうしてもお互いの境遇によっては疎遠になる気がする。
既婚者か独身か、同じ既婚でも子供なしか子供ありか、で話すことが食い違ったり理解できなかったりするからな。
四人がどうやって百之喜に助けられたのか…も面白かったけど、どうして百之喜があんなに銀子を怖がるのか、もわかって面白かった。
そりゃ怖がるわ(笑)
最初、悪い人かと思ってびっくりしたけど当然そんなことはなく。
またもや今回もとてつもないお金持ちが出てくる(銀子含む)。
そこらへんがちょっとリアリティない気もするけど、茅田さんの作品に一般人が共感理解できる人物が出てくるわけないし(笑)
あとは、美人で仕事ができて人脈が豊富な凰華がなぜ百之喜の秘書をやっているのかも語られる。
これなら納得。
彼女はもともと百之喜の変わった能力について聞かされてはいたけど、どのようなものなのかはっきりとは理解していなかった。
百之喜が乗るのを嫌がって逃げてしまった飛行機が墜落するまでは。
このことで凰華もまた百之喜を信じ手助けしていく。
結局は百之喜の能力+魅力で周囲の人が彼を手助けしていくということ。
彼が頼りないせいで周囲がよりしっかりしていく…みたいな(笑)
今回のお話も面白かったし、続きが出ているようなのでいつか読むと思う。
いつか、というのはほかに読む本があまりに積みあがっているためにちょっと後回しになるから。
茅田砂胡さんの小説はほかにもまだ読んでいる途中のシリーズもあるのでこれからじっくり読みたいと思います。あまり当たりはずれのない作家さんの一人だと思う。おすすめ。
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