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本「虜囚の犬」殺された少年は女性を拉致監禁し殺していた…少年の闇とは [本]


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「虜囚の犬」 著者 櫛木理宇

★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)

元家裁調査官の白石はトラウマを抱え職を辞し今は妹の家で穏やかな日常を送っていた。
ある日友人の刑事からある事件の相談を持ち掛けられる。
以前白石が担当していた少年が殺されたのだ。
殺された少年の自宅では女性が拉致監禁されていた…。
被害者でもあり加害者でもある少年の闇を調査することとなる白石。

虜囚の犬【電子特典付き】 (角川書店単行本)

虜囚の犬【電子特典付き】 (角川書店単行本)

  • 作者: 櫛木 理宇
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/07/09
  • メディア: Kindle版

白石という人物は以前家裁調査官だった。
けれど彼が担当していた少年の行動によりトラウマを抱え、今では無職の身だ。
そこへ友人の刑事から連絡がはいる。
7年前白石が担当していた少年が殺されたという。
そして少年の自宅からは、拉致監禁された女性が救出される。
庭からは白骨化した女性の遺体も。。。
彼は何人もの女性を監禁し、虐待し、殺していたのだ。

虜囚の犬.jpg

白石が担当していたころの少年からは想像もつかない所業。
一体彼に何があったのか。そして彼は誰に殺されたのだろうか。

という謎から始まるお話です。
監禁していた女性には、殺した女性の肉を与えていた…といういらんやろ設定もあります。
基本的に胸糞悪い感じでしょっぱな始まります。

少年の家庭環境、父親からの支配虐待を受けていたことを白石は知っていた。
かつて彼を担当していたから。
少年は苛めグループから万引き等をさせられているいじめられっ子だったが、苛めグループが起こした傷害事件のせいで一緒に家裁へ送られてきたのだ。
その時担当したのが白石だった。
という感じ。

大人しそうで無気力で、父親からの支配抑圧と、苛めにあっていた少年は常に怯え自己肯定感が低く、典型的なDV被害者だった。
その彼が七年後殺され、自宅には拉致監禁された女性がいたという。

終始、暗い雰囲気。
白石の友人の刑事がほがらかやし、なかなか人が良さそうで彼が登場するシーンでは少し穏やかな空気が流れる感じ。
それ以外にも白石が送る日常もまた穏やか。
妹のマンションに世話になり、家事をすべて行う白石。
専業主夫(夫ちゃうけど。兄やけど)の生活。
これはなかなか幸せなリハビリになっただろうな。
まぁ白石の心の傷は癒されてはないんだけども。
白石に何があったのかは後半判明する。

それと対比するように殺された少年の生い立ち、父親の暴挙等が語られる。
そして少しずつ違和感を覚える白石。
私には全然わからなかったけど。

虜囚の犬2.jpg

徐々にほんとに徐々に明かされていく真実。
そして判明した犯人とは…。

ネタバレはしないでおきますね。
読む人の楽しみがそがれるので。

えとね、ん~途中まで本当に少年の心理がわからず、なんで拉致監禁したのかとか父親は殺されたのか否かとか、色々不明点が多い。
だからミステリーの要素があってわくわくと読み進められた。
そして途中でまったく別の二人の少年の話が挿入される。
彼らが一体この事件のどこに関係してくるのか…それも興味津々で読めたわ。

まぁすべてラスト近くに判明するんだけどさ。
ちょっとだけ納得いかん感じが…。
犯人がやったことにもちょっと納得いかんし、そないうまくいくかな?と感じたわ。
猟奇的な事件なんだけど、そこまでするのに理由が少し弱いんじゃないかと思ってしまって。

確かにちゃんとオチまできちんと書かれてるし、意味不明なとこはないんだけどね。
少し、んんん?そうなるかな??ほんとに?ってとこが…。
犯人の意外性とか行動とかなぜこうなったか…とかは詳しく書かれてるし、好きな人は好きかも。
読み手をだます手法もあって、でもそれもちょっとなぁと私は思ってしまった。

ホラーかと思ってたけど、ミステリーだった。
内容は猟奇的で残虐で、白石、犯人、と病んでる系が多くて読み進めると精神的に疲れる感じだったな。
犯行の残虐さで最初は度肝を抜かれて、調査を進めていくうちに白石はどんどん真相がわかっていくみたいだったけど、私にはさっぱりだったな。
ラスト読むまでわからんかった。

登場人物がさほど多くないので、これはミスリードなんだろうなとか、もう犯人こいつしかなくね?とかは思いつくけど、その理由がね私では考えつかないから。
この作者さんはすごいな。よく思いつくな。
犯人の行動の理由まできっちり考えて作りこんでて。
病んでました!精神異常でした!で終わるわけじゃなくて、ちゃんとした理由があって(常人には納得できない理由やけども)犯行に及んでいた…と。犯人の生い立ちからもそこは納得はできるし。

じゃ何が納得できんかというと…これがネタバレになってしまうんよ~。
えとえと、少年のうちはいいんよ。けど大人になってもまだそれができるのか…ってこと。
ううう~書きずらいけど、ここが納得いかんかった。
とりあえず読んでみてください。
きっと感想が分かれる小説な気がする。
人間の弱さ…を突き付けられる小説でしたわ。
その弱い部分を付け込まれると怖いね。。。
そしてみんな誰かに愛されたいと願ってる…と。
自分は特別な存在だと認めてもらえたら前を向いて生きていけるんだろうな。
自己肯定感ってすっごく大事なんだなぁ。
私は娘に自己肯定感を持ってもらえるように育てられたんだろうか…と不安になった。

櫛木さんの文体は好き。読みやすい。
なので違う本も読んでみたいと思います。
残虐な小説好物なので!!!(病んでるんかな)

殺人依存症 (幻冬舎文庫)

殺人依存症 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 櫛木理宇
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2020/10/07
  • メディア: Kindle版

老い蜂

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  • 作者: 櫛木 理宇
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/09/21
  • メディア: Kindle版

死刑にいたる病 (ハヤカワ文庫JA)

死刑にいたる病 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 櫛木 理宇
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/10/31
  • メディア: Kindle版

赤と白 (集英社文庫)

赤と白 (集英社文庫)

  • 作者: 櫛木理宇
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/07/01
  • メディア: Kindle版

侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)

侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 櫛木 理宇
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/06/18
  • メディア: Kindle版
どれもめちゃ面白そう…。


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