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本「ゾンビ日記」死者ばかりの世界で一人生き残った男は狙撃手になった…。 [本]

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「ゾンビ日記」
 著者 押井守


★★☆☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)


東京でたった一人暮らす男。
男以外に動くものは「死者」のみ。
世界は動く死者だけになってしまった。
男は死者を弔うため、毎日彼らを狙撃する。
孤独に生きる男は日々何を思い生きるのか。。。



ゾンビ日記 (ハルキ文庫)

ゾンビ日記 (ハルキ文庫)

  • 作者: 押井 守
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2015/07/11
  • メディア: 文庫




押井守さんは映画監督のイメージ。
アニメの。
でも調べてみたらあまり見たことなかったわ。
うる星やつらとか監督されてるみたいね。
あとルパン三世の脚本とか。
小説も書かれているとは知らなかった。



普通にゾンビ小説かと思って読むと拍子抜けするかも。
世界は死者であふれ、生きている人間は男一人…という世界観がめちゃわくわく。


この世界のゾンビは人を喰わない。

襲い掛かってきたりもしない。
ただ死んだあと、歩き回るだけ。無表情で。
これはこれで怖いな。


なぜ男一人になったのか。

徐々に説明はあるけど、まず最初は死んだ人間が再び動き出すという現象が起こる。
ただ歩きまわるだけの死者に対し、対処法に苦心する政府。
処理(捕獲し火葬)をする担当がいるのだが、動いているものを火葬するには相当メンタル強くないとやっていけない。
そして次第に、眠っている間に死んでしまう現象が勃発。
健康だった人間が眠っている間に突然死んでしまう。
隣で眠っていた人が朝起きたら無表情の死者に。
なぜか死の連鎖が止まらない。
これも怖いわ。


話さず食べず無表情とはいえ、動いてるんだからなかなか死んだと諦めきれない。
なかなか斬新なゾンビだわ。


こうして男は東京でたった一人生き残る。

って!!!
なんで男は眠っていても死なないのか。
説明はない。
なんらかの免疫を持っていたのか。
ここらへんは勝手に想像するしかない。
というまぁゾンビ小説らしい(ゾンビの設定は違うけど)ものなんだけど、内容が…。


 


まず男の日常が描かれる。

銃器の取り扱いに慣れている。
もともと、アメリカまで行き射撃をしていた男。
こんな世界になり、銃器店から銃やメンテナンス用具を確保し、毎日歩き回るゾンビを撃つ。
誰に頼まれたわけではないけど、それが死者に対する弔いのつもりで。


でね。

いいんよ。こういうシチュエーションは好き。
ただね…。


読んでる途中で何度か挫折しそうになった。

とにかく押井守監督がいかに銃に詳しいか…ということが嫌というほどわかりました。


とにかく銃に関する蘊蓄がすごい!!!!

手入れ方法から銃の種類、銃弾、いやそこそんなに詳しく別に知りたくないし…。
それだけでも読むのがなかなか進まなかったんだけど、もっと読んでて苦痛だったのは、「死生観」。


死に対しどう考えるか、死者を撃つ…ということに関して延々戦争を例に出し人間はそもそも人間を殺したくないと本能で拒否しているというくだり。

確かに興味深い部分もあった。


兵士は距離感があればあるほど人を殺しやすい。

剣で刺すより、銃で遠くから殺す方がやりやすい。
顔を見れる距離では無意識に殺すことを躊躇する。
意外と戦場でもこれが当てはまり、兵士は平気で殺すイメージだけどそうではないと。
いろいろな条件がそろって初めて人は人を殺せるようになる、らしい。
まぁ殺人が無くならないことを思えば、人間全部に当てはまるわけではないだろうけどね。


 


とにかく、蘊蓄がすごいのよ。

統計を持ち出し、これこれこうだから兵士はこうである…みたいな。
あとは、舞踏家のお姉さんの話。
彼女は芸術家であり独特の世界観を持っていたみたい。
それにめちゃくちゃ影響されている主人公。


なんかね、押井守さんってこういうこと考えてるんだなあ、、と。

確かに興味深い部分もあったんだけど、大部分は読み飛ばしたくなる。


これは俺に関係することだから長くなるが説明する…という言葉が書いてあると、あ~また長々と説明があるのか~と。

ちょっと読むのしんどいたぐいの小説だった。


ゾンビ日記2.jfif



死者を狙撃する毎日。
たった一人で。
これでメンタルやられないんだから、すごいとは思う。
まぁその理由について色々長々と説明してはいるんだけどね。
ちょっと普通のドンパチやるゾンビ小説と思って読むとしんどいかもな。


 


押井守さんに興味があり、孤独な狙撃手の内面を知りたいと思えるのであればこの小説はおすすめかもしれない。

それ以外、私のようにゾンビの世界で孤独に生きる男(地球最後の男みたいな)を期待して読むと苦痛だと思うわ。


死生観とか戦争における兵士の感情だとか、面白い部分もあったけどね。

まぁ文字数がそこまで多い本ではないので、興味があれば読んでみては…。



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