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本「魔境からの脱出」アマゾン奥地に墜落した飛行機。生存者の壮絶なサバイバル [本]

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「魔境からの脱出」
 著者 柘植 久慶


★★★★☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)


コロンビア最南端の都市に向かう飛行機がアマゾン奥地に墜落。
かろうじて生き残ったのは数名。
しかし墜落したその場所はワニの巣だった。
生き延びた人がワニに食い殺される中、日本人である楯岡ひさしは他の数人と共になんとか脱出する。
以前読んだ生存術の本を思い出しながらジャングルの中を突き進む。
彼らの行く手には毒蛇、巨大なアナコンダ、毒矢を使うインディオと次々に苦難が襲う。
果たして彼らは生還することができるのか!



魔境からの脱出 (ハルキ・ノベルス)

魔境からの脱出 (ハルキ・ノベルス)

  • 作者: 柘植 久慶
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 1998/02/01
  • メディア: 新書

めちゃくちゃ面白かった!!!
こういう冒険もの、サバイバルが大好きなんよ~(叫びながら小躍り)。


主人公はその辺にいる会社員。
いや、マヂで。
ブラジルに出張で来ていて、たまたま休暇を取り巨大カブトムシを取りに飛行機に乗っただけの人。
しかしこの日本人がただモノじゃなかった。
本で読んだだけのサバイバル術を使いこなし、しかも銃も以前何度か撃ったことがあるという驚愕の人。


普通本で読んだだけの知識をここまで使いこなせるやろか。

まるで軍人てか、サバイバルの達人。
墜落するならこんな人と一緒がいい!!


とにかく最初は運が悪いことこの上なし。

まず飛行機が悪天候に見舞われ、機内で電波がでる機器を使っている奴がいて、近くにある空港は田舎のため飛行機からの電波を受け取れない。
だから墜落した場所の特定ができない。
つまり救助が来ない。
ここまで悪条件が重なるのも珍しい。


救助がおそらく来ないだろうと見込んだ主人公たち。

日本人の楯岡、日系人のイザベル、両親が墜落の時に亡くなってしまった少年、司祭、他にポルトガル人の男性一人。
たったこれだけでアマゾンから脱出を図る。


魔境からの脱出.jpg



墜落してジャングルの中を歩かなくてはならないだけでも悲惨なのに、まず墜落した場所がワニの巣。
ワニがうじゃうじゃいる。
まず墜落したあと、生き残った人たちのうち大勢が動けないまま炎に焼かれて焼死。
逃げようとした人数人がワニに食べられて死亡。
生き残ったのが楯岡たち五人だけという状況。


ワニの巣をなんとか逃げ出した五人。

ジャングルを歩いて横断は無理だと判断し、アマゾン川を筏で下ることに。
その筏は竹を用いて作る。
もうね、これだけでも常人には無理でしょ。
竹って日本固有のものかと思ってたけど、案外どこにでも生えてるらしい。
中が空洞だから浮力があって筏には最適みたいね。


竹を見つけ筏を組み、水の木(切ると中に水を蓄えている)を見つけ、アマゾン川に乗り出す五人。

まぁ五人といっても少年はまったく役に立たない。
両親が死んだことと、飛行機から脱出したあと巨大アナコンダに襲われたことで生きる気力をなくしている。
存在感まるでなし。
普通子供が加わるとちょっと癒し系だったりするものだけどね。
まぁ子供のせいで危険な目に遭うのも定番だけど。


毒蛇に噛まれないために、タバコを水に溶かしニコチン臭たっぷりの水で衣服を濡らす。

めっちゃためになったわ。
私もジャングルで遭難したらニコチン塗るわ。たばこ持ってないけど。


あと、竹!竹を筏にするには水がしみこまないように焼く必要があるってとこ。

これも勉強になった。
もし竹で筏を作る必要ができたら、焚火で少しあぶるわ。
燃やさないように気をつけながら。きっとできひんわ。


小説ではあっという間に全長10M、幅3Mという立派な筏が組みあがる。

いや、すごすぎるわ。
その上に小さな小屋まで建てるんだもん、知識半端ないわ。


アマゾン川に乗り出してからも、大量の毒蛇、ピューマ、毒矢をいかけてくるインディオ、軍隊アリ、等々アマゾンにおける災厄がすべて襲い掛かってくる。

 


いやしかしね、楯岡ってヒーロー、なかなかなんですわ。

普通こういう冒険ものって、ヒーローが仲間を助け…って展開が多いやん。
けど、この人結構非情。
あっさり見捨てる。
見捨てるどころか、うるさい〇〇をインディオの仕業に見せかけやってまう…みたいなのもあって、想像の斜め上を行く展開に驚くことに。


まぁこういう方が人間味あって好きだけどね。

筏が崩壊しかけた時に偶然モーターボートに拾われる楯岡たち。
しかしそのボートには砂金強盗が乗っていて…。


よくこれだけ不運がのしかかってくるなぁという展開。

ボートが壊れなんとか行き着いた先には例の北国の人たちがいて捕まってしまったり。
冒険につぐ冒険、というよりかは、不運の上に不運がという感じ。


 


一気読み必須でしたわ。

この数々の苦難を知識で乗り越えていく主人公がただの会社員だとは。。。
他の小説だと元特殊部隊の人とかさ、そういうのになるやん。
ただの会社員が昔読んだ生存術を頼りに全てを切り抜けていくわけ。
…ちょっと無理が…あるけど…でも…。


それでもアマゾンの高温、多湿、そういう雰囲気が十分伝わるし、結構迫真に迫ってる描写。

ちゃんとすべて説明されてて読んでてそこまで???になることはなかったかな。
まぁ楯岡の能力にはちょっと疑問が残らないでもないけど、許せる範囲。


とにかく面白い小説!!

破天荒すぎて楽しい。
あ、あと筆者の柘植久慶さん。
この方慶応大学を出て、フランス外人部隊、アメリカ特殊部隊出身だそう。
経歴すごすぎ!!!
ほんまものの軍人さん、それも凄腕の…。
この方の人生も波瀾万丈すぎる…。
戦うシーンのリアルさとか、サバイバルの知識とか、実体験に基づいてるのかもしれん。
だからリアルなのかも。


柘植さんの小説は自然災害ものを何冊か読んだけど、こっちの冒険小説の方がいいね。

主人公の感情をあまり書かないから大地震や津波やらの小説は感情移入できなくてまるでノンフィクションを読んでるかのような無機質な感じだった。
でもこっちの冒険小説だと、感情があまりなくても主人公の冷静さとしてとらえられるから違和感なく読めた気がする。


これシリーズものなのかな。

ラスト、続くような感じだったから。
続き読みたいです。



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