本「真夜中の神話」少女の歌によって病気が癒される…吸血鬼伝説の村で起きた奇蹟とは [本]
「真夜中の神話」著者 真保 裕一
★★☆☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
研究に没頭し家庭をないがしろにしてきた晃子。
突然夫と娘が事故死し自分を見失ってしまう。
薬ではなく、動物によって自然治癒力が高まり癒されるアニマルセラピーに興味を持ちその研究のためにインドネシアを訪れる。
ところが途中飛行機墜落事故に遭い山岳中に隠れ住む部族に助けられる。
その部族には「神」と崇められる少女がいた。
その少女の歌声に晃子は癒されていく。
山を降りた晃子はあの村には吸血鬼伝説があり皆が恐れていることを知る。
そしてそれに関連するかのように二件の殺人事件が起こる。
うーん。面白いんだけどなんだろ、ちょっとどきどき感が薄いような。
あとリアル感も少ないような…。
ジャングルのサバイバル感が薄いのがリアルさを削いでるのかも。
ずっと室内に篭っていた研究者がいきなり山歩きできるものだろうか。。。
そういうとこがもうちょっとリアルじゃなくてのめり込めない。
少女の不思議感とか超音波とかは良かった。ありそう。
歌声が癒すっていうのはありそうやもん。
そういう歌声を持ってる人間がいても不思議じゃない気がする。
現実、歌に癒されることもあるしね。
ただなんか吸血鬼伝説に絡めてるけどムリがあった気がする。
コウモリだけやん、合ってるの。
全然吸血鬼じゃないし…。
殺人犯も意外性を持たせたつもりやろうけどありがち。
と辛口書いてしまいましたがラスト近くは緊迫感もあったしスピード感もあって良かった。
ただ…。オチとして少女をすんなり山へ帰すってのは納得いかないな。
そんな事するかな、ヴァチカンが。
少女を捕えて研究したり、囲ったりして自分たちだけのものにしそう。
奇跡を起こす人物は大事やろ。
と、ところどころ納得いかないところがあるので★は二つ。
設定とかものすごい面白いんだけどなぁ。
私とは合わなかったのかな。
え?癒しにゃら、歌よりにゃんこでしょ?
【本映画過去記事】
☆映画「女帝(エンペラー)」チャン・ツィイー主演、中国古代宮廷内の愛憎劇をハムレットを基に描く
☆本「龍は眠る」宮部 みゆき著。心を読むことができる少年と知り合った記者…彼の運命は
☆映画「GODZILLA ゴジラ」ハリウッドリメイク版。渡辺謙出演。ゴジラがサンフランシスコに出現!
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真保裕一は「ホワイトアウト」で気に入っていたのですが、他の作品では、ぬるいというか小説ならではの醍醐味が薄いというか、だから今回のレビューの評価、何となく想像できます。
by ojioji (2015-11-24 23:25)
>ojiojiさま そうそう!そうなんですよ!私もそう思うんですよ。小説ではなんというか深みに欠ける感じで飄々と終わる…。不思議ですねぇ。設定はすっごく面白いのに。
by youyou_s (2015-11-25 08:20)
やっぱりそうでしたか。
「設定はすっごく面白い」から、もっともっと興奮させられるのにと。
ぼくが読んだのは、作品リストで確認すると「連鎖」「震源」「奪取」「ホワイトアウト」「朽ちた樹々の枝の下で」「盗聴」だったはずですが、ホワイトアウト以外はいつも、惜しい、もったいない、次こそは(^^;)の繰り返し。やがて、これは作者が確信犯的にやっているのだと悟って「奪取」(確か贋金づくりの話し?ストーリー忘れてる^^;)で見切りをつけました。雑誌の対談とかで見た印象はとても良い人(*^^*)なのになあ。いや、良い人に面白い小説は書けないか。
by ojioji (2015-11-26 21:42)
>ojiojiさま ホワイトアウトは映画で観ました^^
やっぱり設定は良いのに今一歩…っていうのが特徴なんですかね。
勿体ない感じがします。
でもそういう小説だとちょっと読む気が失せますよねぇ。
反対に設定はすごく平凡なのに面白く書ける作家さんもいますよね。…今ちょっと思いつけませんけど…。
by youyou_s (2015-11-26 23:36)