本「対決の刻 上」劣悪な環境で育った三人。その運命が交差するとき… [本]
「対決の刻 上」 著者 ディーン・クーンツ, 田中 一江
三つの異なる物語が同時進行する。
手足が不自由な少女レイラニは人殺しの義父を持ち、ジャンキーな母親とと共に暮らしている。
おそらく自分も10歳の誕生日までには殺されると知りながら。
そしてその隣のトレーラーハウスに叔母と共に住むミッキーは子どもの頃虐待を受け今は失業中の美女だ。
レイラニと知り合い彼女の境遇に胸を痛める。
私立探偵のノアは劣悪な家庭環境に育ち、妹は暴力を振るわれ脳に傷を負い話す事も感じる事もなく福祉施設でただ生きている。
その妹の介護料を稼ぐためだけに生きているノア。
そして何者かに命を狙われる少年。
途中知り合った犬と一緒に追ってくる殺し屋とFBIから逃げ続ける。
それぞれの物語が進行していくのだけれど、いまだまったく接点がない。
これが下巻になるときっと運命がかみ合わさっていくのだろうけど。
しかし、どの登場人物も暴力、死、というものを経験しなんだかひたすら重い。救いがない感じ。
今暴力の渦中にいる現在進行形の少女もいる。
悪はどこにでもあり、それに触れたことで傷つき、人に優しくなれる人もいれば自分も悪に染まってしまう人もいる。
そこに少年がどう絡んでいくのか。。。
クーンツは悪も描くんだけど、キングほど理由もなく邪悪な存在というものではないことが多いような。
悪でも理由がある…みたいな。
まぁ当然悪は倒されてしかるべし、には間違いないんだけどもね。
これからどうなっていくのだろうか。
小説の途中ってそんなものかな(笑)
ほんとクーンツの小説って面白い。
キングほどだらだら進まないから(悪口ではない)
なのにちゃんと登場人物に感情移入できる。
キャラクターが魅力たっぷりだからだね。
だいたいゴールデンレトリーバー。
飼ってるんだっけ?クーンツが。どっかで読んだ気がする。
もうほんとにこの犬がね、あまりに素晴らしすぎる。
クーンツの小説に犬が出てきたら外れはないと思う。
いや、イヌがいなくても外れないんだけど。
下巻がほんと楽しみです。わくわく。
クーンツ、キング、マキャモン、私の中での外れなしの著者さん。
ほかにもケッチャムやマシスンもいるけど、上記三人はほんとにどれを読んでもめちゃくちゃ面白いから超おすすめ!
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