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映画「永遠の僕たち」死に憑りつかれた少年と余命3か月の少女との出会い [映画]

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「永遠の僕たち」
2011年アメリカ映画

★★★☆☆(個人評価 ★多めならおすすめ)

監督 ガス・ヴァン・サント

出演者 ヘンリー・ホッパー (イーノック) ミア・ワシコウスカ (アナベル) 加瀬亮(ヒロシ)

イーノックは両親を事故で失い、自らも昏睡状態で臨死体験をしている。
それから高校へは行かず、唯一の友は、幽霊の日本兵、ヒロシだけだった。
イーノックは見知らぬ他人の告別式に頻繁に行っていた。
そこで不思議な少女アナベルに出会う。
彼女は脳腫瘍であと3か月しか余命が残されていなかった。
二人は惹かれあい愛し合うようになるが…。

不思議な雰囲気の映画。
柔らかいというか、穏やかで幻想的な感じ。
おそらく主役二人がまだ高校生くらいで、子供と大人の中間くらいに位置しているのも関係してる気がする。
【ネタバレしてます。未見の方は注意】

イーノックは見知らぬ他人のお葬式に出ている。
これは事故で死んだ両親のお葬式に出られなかったことが関係してそう。
一緒に車に乗っていた両親は即死、イーノックも昏睡状態だったため、お葬式に出ることができなかったのだ。

他人のお葬式に通い詰めていたイーノックはそこで一人の少女と出会う。
彼女の名前はアナベル。
他人のお葬式に出ているイーノックを受け入れる彼女。

そして彼女は脳腫瘍に侵されており、余命3か月だと知る。
残された時間はわずかしかない。

知り合った最初の頃、イーノックは彼女が余命短いと知ってもあまり感傷的にはならなかった。
彼女のお葬式の話題でも笑って話せるくらい。
けれど、二人で過ごす時間が長くなるにつれて、彼女の死を受け入れられなくなっていく。
でも感情が爆発するシーンは二か所だけ。

アナベルの担当医に対し、彼女を治せと詰め寄るところ。
どうして僕を遺して先に逝ってしまったのかと、両親の墓を壊しながらなじるところ。
あとは比較的淡々としている。

イーノックにはゴースト(幽霊)の友達がいた。
昏睡状態から醒めた時、ベッドに座っていたという。
その幽霊が日本兵で、カミカゼで特攻をかけたヒロシ(加瀬亮)。
まさか、加瀬亮がアメリカ映画に出てるとは思わず、びっくりしたわ。

五分刈りがまた似合うこと。
なんで英語しゃべるのかとか、なんで日本兵の幽霊が、とかの説明は一切ない。
でもヒロシの姿はイーノックにしか見えない。
イーノックはヒロシとボードゲームをしたり、散歩したり、唯一の友達と言える。
結構重要な役どころ。

永遠の僕たち2.jpg
映画.comサイトより画像引用


イーノックが幽霊が見えると言ってもアナベルは笑ったりはしなかった。
それを受け入れている。
そういうところもイーノックと気が合うところなんだろうな。

イーノックを演じている少年がまた超美少年。
登校拒否で、幽霊と話をしてて、他人のお葬式が大好きという、一見変わった繊細な感じが良く似合ってる。

それから淡々と二人の生活が描かれる。
一緒に自転車に乗ったり、ハロウィンを楽しんだり。
でも彼女の死期は確実に迫っていた。

ただ…。
彼女の死ぬシーンとかはない。
泣かせようとするシーンがないのだ。
ここが好感持てたな。

永遠の僕たち3.jpg
映画.comサイトより画像引用


彼女がもうすぐだと思う、とイーノックに笑顔で告げ、イーノックは彼女に見られないように泣く。
そのシーンのあと、ヒロシが彼女のベッドのそばに現れ、彼女の道案内をするという。

そして次にはすでに彼女は死んでいて、彼女の告別式のシーン。
そこで、イーノックは彼女の事を思いだしながら、微笑む。
泣くのではなく微笑むのだ。

なんだか、すごくこの映画の象徴的なシーン。
彼はようやく愛する人のお葬式に出て、死と向き合うことができた。
愛する人の死を受け入れたのだと思う。
おそらくこれから彼は前向きに生きていくんじゃないだろうか…と思わせる希望のあるラスト。

愛する両親が自分が昏睡状態の時に死に、葬られたことで彼らの死を本当には受け入れてなかったんだろうな。
だから他人のお葬式に何度もでて、身内が死ぬことに対して周囲の感情とかを観察していたんだと思う。
自分が出来なかった事を疑似体験しているというか。
でも愛する彼女の告別式でようやく、彼にとって”死”というものが憧れから現実になったのだと思う。

死に憧れる若者…というイーノックに、神様は余命わずかな少女と出逢わせることで、現実世界に連れ戻したんだろうか。
イーノックもアナベルも綺麗で透明感があって、ラブシーンがすごく綺麗だった。

永遠の僕たち.jpg
映画.comサイトより画像引用

なんだか、終始ベールに包まれているような、現実感が希薄な不思議な映画でした。

ルナ129.jpg

わたちも透明感溢れる容姿にゃ?←そうか…な…。

【本映画過去記事】
映画「奪還 DAKKAN アルカトラズ」難攻不落のアルカトラズが復活!そこを傭兵集団が襲う!
本「カゲロウデイズⅤ」ボカロ作曲家じん作。超能力を持つ少年少女の夏の物語。 
映画「ミリオンダラー・ベイビー」クリント・イーストウッド監督作。貧しい女性ボクサーと老トレーナーの絆とは。

 


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コメント 4

mitsuya

ヘンリー・ホッパー、いい俳優さんになりそうですね(^^)イージーライダーのデニス・ホッパーの息子さんですよね? 永遠の僕たちですか……ネタバレされても見てみたいと思う映画です。お盆の時に借りてこようっと(^^)
by mitsuya (2015-08-08 00:18) 

youyou_s

>mitsuyaさん そうそう!デニス・ホッパーの息子さんだそうです。デニスさんを知らないんですけどもね…。めちゃくちゃ美少年でした。綺麗な結晶のような恋愛物語でした。
by youyou_s (2015-08-08 11:00) 

ihuru

病気×ラブストーリーの典型パターンは苦手なので、逆に、この映画はとても気に入りました。
主演2人の透明感が素晴らしかったですよねぇ~。
加瀬亮さんも本当にいい味出していました!
by ihuru (2015-10-15 22:51) 

youyou_s

>ihuruさん コメントありがとうございます!全体通して不思議な雰囲気でしたね。主役二人の空気感でしょうか。加瀬さんがこういう映画に出てたなんて知りませんでしたからびっくりしました。
あまり病気や死を前面に押し出さず、感動も強要しない映画だったので好ましいですよね。
by youyou_s (2015-10-16 08:00) 

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