本「石油消滅」ある日突然石油が使えなくなったら… [本]
「石油消滅」 著者 R.スコット.ライス
★★★★☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
突然あちこちで飛行機が墜落し、自動車が動かなくなっていく。
調査の結果、石油がバクテリアに汚染され使用不可能になっていることがわかる。
アメリカではテロリストの仕業だと調査をすすめるが、CDCの疫学者ジレットはまずバクテリアの発生源を突き止めようと孤軍奮闘する。
石油が使えなくなった世界は、食料がなくなり暴徒たちが街を壊し始める。
混沌とした世界でジレットは解決策を探そうとするが、暗殺者が彼と彼の家族を狙う。
面白かった!!!世界が、というよりアメリカがパニックに陥る様子を克明に描いていてリアルさがあった。
まるで映画のようだと思ったらすでにハリウッドが映画化権を購入しているらしい。
しかし怖いねぇ。石油に依存しているとこうなるのか。
日本はどうなんだろうね。
オール電化にしてるとこもあるし、ガスも使ってるし、ここまでひどい事態にはならない気がするけども。
ただ食料危機にはなるんだろうな、なんせ輸入に頼ってるわけだし。
自動車はなけりゃないでなんとかなる気はするな。
そうなれば小さくてスピードの出ない電気自動車が出てきそう。
その方が事故は起こりにくい気がするけども。どうなのかな。
まぁこんな事態になれば石油で利権を得ている人々が一番困るんだろう。
これは面白かったですわ。おすすめ。
本「無痛」病んだ人間がいっぱい… [本]
本「無痛」 著者 久坂部 羊
★★★★☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
神戸の住宅街で一家四人が惨殺される。
あまりにもむごたらしい殺し方に犯人は人格障害者の疑いがもたれる。
一方神戸に住む開業医の為頼は外見だけで症状がわかる才能を持っていた。
同じように犯罪を犯す人間をも見抜くことができた。
その才能を使い、母子親子を通り魔殺人鬼から救う。
その母親は別れた元夫にストーカーを受けていた。
いや~読むのきつかったわ。
痛々しい描写やらグロいのやら精神状態が闇一色の人間やら読んでると気分が悪くなった。
精神障害の気がある人なんていっぱいいるもんね。
自己中が高じるとこうなるんだな、という最悪男や、
外面は良くても嫉妬や妬みから人を落としいれる女、
理想の医療を現実にするために法を曲げる医者等々。
一般的に病気と診断されてなくても、そういう人ってたくさんいる。
自覚できないだけで私もそうかもしれんし。
とにかく読んでてきっつい。
完全に病気…っていうのも変だけど障害があると認定された人々の方がまだいやらしさを感じなかったな。
それが殺人鬼であっても。
刑法39条「心神喪失者の行為は罰しない」
これは精神に障害を負った人間が犯罪を犯しても無罪になる法律だ。
泥酔者や覚せい剤中毒者にも適用される。
これについて言及した部分が多く、私は刑事の早瀬に共感を覚えた。
精神が病んでいたとしても罪は罪。
償う必要があるはずだと思っているから。
犯人が心神喪失していたからといって無罪になり、大手を振って自由になるなんて被害者の立場からすればありえない。
でも日本の法律は現在こうなのだ。
「殺人」というのは罪の意識のあるなしにかかわらず決して行ってはいけないはずなのに…。
日本は甘いなぁと思う。
いっつも加害者の人権にばかりうるさくて被害者の人権は踏みにじられる。
この小説を読んでいろいろ考えさせられたし、精神障害者の人権についても改めて考えた。
現在の医療や医者の心理についても。
しかし犯罪は犯罪だという私の意見は変わらないな。やっぱし。
描写が結構グロイのでそういうのだめな方は読まないほうがいいです。
ドラマ「仮面ライダーBlack Sun」仮面ライダーblackをリメイクした大人向けヒーロー [テレビ・ドラマ]
「仮面ライダー Black Sun」 2022年Amazonprimeドラマ
出演者 西島秀俊(南光太郎) 中村倫也(秋月信彦)
怪人と人間の共存が始まって50年。
未だ怪人への差別意識はあからさまであり共存に反対する団体の行動は過激になっていた。
差別撤廃を願う少女と南光太郎が出会ったとき隠されていた真実が運命と共に動きだす。
仮面ライダーBLACK SUNも、SHADOW MOONもめちゃくちゃかっこいい。
これよ、これが観たかった!
ちゃんと怪人ぽくて、それでいてかっこいい!
そして怪人もグロテスクで良い!
やられたら体液まき散らして死ぬのも良き。
子供向け仮面ライダーを大人向けにしたらこうなるよね、のお手本だった。
ストーリーも過去と現在を交互に見せることで、怪人たちを生かしている創世王の存在、そして人間と怪人の間の確執をしっかり見せてくれる。
昔の昭和臭のする過去もいいねぇ。
仮面ライダーの時代っぽくて好き。
自分たちと違ったものを許さない。
閉鎖的な島国である日本はそれが余計に顕著に出ていると思う。
大体、同じ日本人同士でも差別があるんだから、怪人なんてそりゃ排除すべき存在になっちゃうだろうな。
力は人間よりも強い。
その存在を恐れるがゆえに排除しようとするんだろうし。
仲間を傷つけられとうとうその不満は爆発してしまう。
果たして怪人たちとの共存は可能なのか…。
人間は怪人を恐怖し差別してるけど、怪人側も人間を馬鹿にしている。
怪人こそが世の中を統べるべきだと思っている(やつもいる)。
そりゃ仲良くできんよね。
難しいわ。
それとは別に怪人たちの祖である創世王の存在が徐々に明らかになる。
ここらへんがね~あまり理解できんというか。
創世王の体液を飲む怪人たち。
長生きの元みたいな感じ。
そしてその創世王はすでに息も絶え絶えで次の王を早く見つけないと…という困ったことになっている。
困っているのは怪人なんだけどもね。
誰でもなれるわけではなく、ちゃんと正統な後継者だけが創生王となれる。
その候補がBLACKSUN(南光太郎)。
その辺のごちゃごちゃはあんまりよく理解してないんだけど、それでも面白かった。
つまり元は人間だったものがいる。
南光太郎もそう。
改造されて怪人になる。
これ全員がそうなのかな?
違うよね?
怪人の子供がいるってことは怪人から直接生まれてるんだろうし。。。
人間が怪人になったのだとしてもやっぱり差別はなくならない。
そこもまたリアルなんじゃないかと思った。
極端な社会風刺がちょっと鼻につく感じが無きにしもだけども。
そこが良い!
ちゃんと大人の鑑賞に堪えうる作り。
仮面ライダーのビジュアルも最高だしね。
怪人がそこまでリアルかというとそうではないけど、子供向けの番組よりかは全然マシな感じ。
王道のストーリーではなく、差別を扱ったり、良い怪人を殺したり、ある重要な人間を怪人にしたりなかなか意外性があったな。
えええええ~そうなるの!!と何度か言ってしまったわ。
世界観も嫌いじゃないし、差別撤廃を訴える少女も一筋縄ではいかない感じが良かったし、次が気になって一気に観てしまった。
面白かった!
元の仮面ライダーBLACKを知らないけど、そこはあまり関係ないのかな。
知らなくても十分楽しめる。
ラストはね~。
私はあまり好きではないかな。
私は白黒はっきりしたい派やし、それにあれは…ちょっと…えええええ~ってなるわ。
そこが良いのかもしれんけど。
あまり期待しないで観たけど、のめり込んで観ました。
続きも気になる作りになってましたし。
これは大人にこそ観て欲しい仮面ライダーでした。
でもね、私が一番好きなのは仮面ライダー電王です!
本「私という病」女を諦められないとき… [本]
「私という病」 著者 中村 うさぎ
★★★★☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
筆者は47歳になり女として価値が下がったことに悲しみ、自分に欲情する男が欲しくてデリヘル嬢になる。
詳細な自己分析、男に対する憎悪等々リアルで生々しい体験記。
まず冒頭から共感。
女は年齢と共に性的対象からはずれていく。
そしてその事は自身の価値までもが貶められたような気になる。
「誰かわたしに欲情して」と叫ぶ筆者はまるで自分の事のようだった。
私も自分の価値を「男から見て抱きたくなる女」という部分に置いているところがある。
本当はそんな所に人間の価値があると信じてるわけではないんだけど。
男性から求められなくなったら自分に価値がなくなった…と考えてしまう。
今の私は母親であり主婦であり妻であり会社員である。
妻=女ではあるんだけど、無料でいつでも出来る手軽なセックス相手=妻でもあるわけだ。
女としての魅力というやつは年齢にあるわけではない!と理想論としては言えるかもしれない。
でもやっぱり「男が勃つ女」でありたいと思う私は筆者と同類なんだと思う。
自分が女である事を上手く利用できず足掻き、若い女と年増を区別する男に憎悪し、自分の性的価値にこだわり続ける。
なんだか人事じゃないと思った。
でも筆者のようにデリヘルはできない。
私にとってデリヘルは「お金を払ってまでもヤりたい女」というわけじゃないと思うから。
風俗で働いて売れっ子になっても自分の価値を金銭的に高いとは思えないんだよね。
あくまで「風俗」という世界での価値であって一般で価値が高い女というわけじゃない気がするから。
その点で言えば私の自尊心というのは筆者より数倍(無駄に)高いんだろうな。
他にもヤる女はいっぱいいる。
でも私に欲情し、私を抱きたいと思って欲しいわけよ。
たいした女でもないって事はわかってるつもりなんだけど、それでもいつまでも性的欲望の対象になりたいんだよねぇ。
あ、もちろん男なら誰にでも欲情されたいわけじゃなく、自分的に「これ」と思った男にのみ欲情されたいわけ。
なんちゅうか、これってホント年々きつくなっていく願望だな。
一体何歳になればそういう思いから解放されるんだろうね。
そういう面で私は筆者と同じ感覚の持ち主なんだろうな。。。。
とりあえずあまり老けないように努力だけはしようと思いますです。
本「半魔」超常能力を持った三人の女子高生が出会う [本]
本「半魔」 著者 黒武 洋
★★☆☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
女子高生の陽子は百貨店の屋上から身投げしようとしている同じ女子高生の寛美を助ける。
彼女は人の心が読めてしまう自分に嫌気がさし死のうとしていたのだ。
ところが陽子も同じような超常能力を持っていると知り二人は友達になる。
そしてやはり同じような力を持つ理砂とも出会う。
三人の孤独な魂が出逢ったその時、三人の力の覚醒が始まった。
うーん。どうかな。
半分魔の血が入った人間という発想は面白かったけど、三人が解決するどの事件もリアルさに欠けててのめりこめなかったわ。
結局ラストも「続く」って感じやけど、これの続篇をそんなに読みたいかって言うとそうでもなし。
自分が高校生のときに読んだらもう少し面白かったのかな。そうかも。
小説って読む時期によっても感想が変わってくるよね。
感じ方も違うし。
その時々の悩みとかにもよるし。