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漫画「かくかくしかじか」東村アキコの自伝的漫画。美大へ入るための絵画教室で出会った先生とは… [漫画]

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「かくかくしかじか 全5巻」
著者 東村アキコ

★★★★★ (個人評価 ★多めならおすすめ)

林明子は小学生の頃から漫画家になるのが夢。
理由のない自信によってそれは確固たる未来でもあった。
高校の美術部で優しい顧問によってますます自信をつけたアキコは美大へ行くため、ある絵画教室へ行くことに。
ところがそこでこてんぱんに罵られ、美大に受かるために毎日のようにデッサンをしろと言われる。
教室の先生はまるでヤ〇ザのような乱暴で暴言を吐き竹刀で容赦なく叩く体育会系。
自信満々だったアキコはここで自らを見直すことに。


海月姫、主に泣いています、タラレバ娘等の作者、東村アキコの自伝漫画。

もうね、めちゃくちゃ良かった!
なんていうか、感情だったり、思いだったり、妙な自信だったり、そういうのがすべて共感できるっていうか。
読みながら何度泣いたかわからない。
もう出だしから、なんとなく結末が想像できたからなんだけど。

小さなころから絵がうまいとおだてられ、自信満々だったアキコ。
高校でも美術部部長になり、優しい顧問に褒められる毎日。
美大へ進むため友達に紹介された絵画教室へ通うことになる。
ところがその先生が、暴言を吐きまくり竹刀でたたく超厳しい先生だった。
自信満々のアキコもこてんぱんにやられる。
このままでは絶対に美大には受からないと、デッサンを毎日することに。
厳しい先生ではあったが、なんとなく憎めずアキコはずっと通い続ける。


アキコの通う高校は進学校であったが、アキコ自身は勉強をまったくしないためいつも学年でビリに近い成績ばかり。
これでは大学に行けないと思った矢先、美術部顧問が推薦してあげる…と。
ここでもまた自信満々で試験に挑んだアキコ。
学科がなくて実技と面接のみだったので楽勝だと受かる気満々だったのだが、結果は不合格。
仕方なくセンター試験を受けることになるのだが今からではとても勉強しても追い付かないと、四択の解き方を必死に研究。
問題がわからなくても答えがわからなくても、四択の中から正解を選びだす能力を身につける。

読んでて吹き出すことも多いし、なにより美大を目指す人にとってすごくためになる気がする漫画。
よくこれでセンター試験で良い成績を取ったなぁと眉唾ものではあるけど、なんとなく信じられる気もする。
第一希望の東京の大学には落ちたが、金沢の美大に合格。
独り暮らしを始める。
ここまでのお話だけでも、もうめっちゃ面白い。
絵画教室の先生のキャラがもう素敵すぎて。
まぁ自分が習ってたら絶対辞めてるだろうけど…。

アキコはこの先生とうまが合ったんだろうなぁ。
結局8年もこの先生と付き合うことになるんだから。

何もしなかった大学時代の話でも泣いたわ。
アキコの実家は九州の宮崎。
当然絵画教室の先生も宮崎。
でもアキコを心配してか、全然連絡してこないアキコに対し、金沢にまでやってくる。
しかも一泊で。
この時、アキコは先生がうっとおしくて、相手もせず、一泊しただけで宮崎に帰してしまう。
先生が帰ったあと、机の上に、焼酎が。
おそらく先生はアキコや、美大友達とお酒を飲みながら語らいたかったんだろうに。
アキコはうっとおしく思って、先生一人を置いて自分は彼氏の家に泊まりに行ってた。
なんていうか、ここで涙が…。
先生の気持ちを考えたらもうたまらないわ。

ここまでアキコを思ってくれてる先生をないがしろにして。
それでもアキコの気持ちもわからなくもないから、もしかしたら自分が同じ立場でもそうしてたかもって思うと余計哀しく思えたわ。
若い時って(今でもやけど)、親とか自分に世話を焼いてくれる人をうっとおしく感じることがある。
あとから考えたらなんでもっとしっかり相手をしなかったのかと後悔してしまう。
きっと相手はものすごくがっかりしてさみしかったに違いないのに。

これは親孝行にもつながる思いだから余計に泣けたんだろな。
親をうっとおしく思って邪険にしてしまった日々を思い出すと後悔しかないもん。
東村アキコは先生に対し、何度か、裏切るような行為をしてしまう。
そのことも赤裸々に漫画に描かれている。
それでも、それはすごく共感できるし、ああ、自分でもそうするかも…という想いで読むから、自分の若い頃を殴りたい!というアキコの気持ちがすっごくよくわかる。

自分の青春時代に常に存在していた”先生”。
それをこうやって漫画にした思いもわかる気がするわ。
若い頃、ほんっとに後悔しかない思いを漫画にすることで浄化するというか、懺悔するというかね。
描くことで胸にずっと残っていた後悔の念とか、そういうのを見つめなおすことで自分の中でようやく決着つけられるんちゃうかなぁ。
じゃないと、ずっと一生後悔したままになってしまうもん。

まぁ結末はあえて書かないけど、想像はつくかな…。
アキコはめちゃくちゃ先生に可愛がられていたんだな…と思う。
やっぱり才能があったんだろうね。

しかし美大って入るの大変なんやねぇ。
入ったら入ったで課題とかで大変そうやし、お金もかかるから親も大変やし。
うちの娘も絵が好きでずっと描いてるからやばいな。
将来美大行く!っていいかねんわ。
…まぁしょうがないけど。
でも美大出ても就職先がないもんなぁ。
美術の先生だってものすごく狭き門やろし。
美大出て普通の企業に入ったらなんのこっちゃ…って思うしなぁ。
全員が全員画家を目指しているわけでもないんやろしねぇ。

とにかく、感動して泣けて笑えてためになる漫画と大絶賛しておきましょう。
漫画読んで泣くって最近なかったわ。
漫画家目指す人にも役立つし、美大目指す人にもいい。
一切芸術的要素を持たない私が読んでも面白かった。

ますます東村アキコさんのファンになりましたわ。

ルナ98.jpg

 

わたちはモデルのほうが向いてるにゃ

【本映画過去記事】
本「二重螺旋の悪魔〈下〉」人間のDNAから呼びだされた悪魔と人類の最終戦争の行方は…
テレビ「図書館戦争 ブックオブメモリーズ」本を守る図書隊の一員である小牧が身柄を拘束される。一体なぜ?
本「二重螺旋の悪魔 (上)」DNAに潜むものを具現化してしまった人類。果たして人類の運命は… 

 

これもめっちゃ面白かったよ↓



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漫画「ヒロイン失格」思い込みの激しい性格のはとり…自分がヒロインなのだと信じ切っていたのだが…。 [漫画]

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「ヒロイン失格」
著者 幸田もも子

★★★★☆(個人評価 ★多めならおすすめ)

高校生のはとりは思い込みの激しい女の子。
幼馴染のイケメン、利太に片思いではあるが、絶対に自分がヒロインになるのだと信じて疑わない。
一方の利太は、イケメンでモテるため彼女がいつもいるが、真剣に付き合ってはいない。
いつか利太の彼女になるのはヒロインの自分なのだとはとりは信じていた。
ところが、今度利太が付き合い始めたのは、地味で真面目な安達という女の子。
今までの女の子とはタイプが違う。
安達はてっきり脇役キャラだと思っていたはとりだったが、利太にはっきりフラれたことで、自分はヒロイン失格なのだと思い知ることに。


ヒロイン失格 コミック 全10巻完結セット (マーガレットコミックス)

ヒロイン失格 コミック 全10巻完結セット (マーガレットコミックス)

  • 作者: 幸田 もも子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/05/24
  • メディア: コミック

 


高校生のはとりは顔も可愛くスタイルも悪くない。
幼馴染の利太を一途に思っているが、告白はしていない。
利太はイケメンでモテるため常に彼女がいるが、はとりはあまり気にしていない。
なぜなら、自分こそがヒロインで、きっといつか利太と結ばれるのだと信じているから。

なかなか思い込みが激しい女の子が主人公。
幼馴染の彼と結ばれるのは王道であり、自分こそがヒロインだと自信を持っている。
確かに利太からは特別扱いされている。
しかし思い切って利太に告白すると、そんなふうには思えない…とフラれてしまう。
諦めきれず、ずっと好きでいると伝えるのだが、利太は無駄だと諭す。

確かに少女漫画の王道としては、幼馴染というのは結ばれやすいからね。
でも利太が選んだのは、地味で冴えない女の子、安達。
なんとか安達から利太を取ろうとするのだが、安達はとても良い子。
はとりは、安達こそがヒロインで、自分が脇役なのだと思い知ることになる。

女の子は誰でもヒロインであって、自分以外は全部脇役になってしまう。
それは地味な子でも美人であっても同じ。
そのことにはとりはなかなか気が付けない。

少女漫画にしては主人公のはとりが、変顔するし、性格も難があるし、なかなか意表をついていて面白い。
ずっと好きだった幼馴染からもフラれるしね。
高校生くらいの女の子だったら、誰しもが考えるようなねたみだったり、嫉妬だったり、好きという想いだったり、がリアルに感じられるのは、主人公の恋がうまくいかないからかなぁ。
主人公と一緒になって、「なんで?フラれるの??ええええ???」と、共感し、地味な安達がイケメンの心をつかむ様子にいらっとしたり(笑)
やっぱり映画化されるだけあって、なかなか面白いね。

ま、しかしですね。
主人公のはとりは、利太にはフラれるものの、学校一イケメンの弘光康祐(ひろみつ こうすけ)と付き合うことになる。
ここら辺が少女漫画の王道に戻る感じね。
最初は弘光もはとりの事を真剣に好きじゃない感じだけど、付き合うにつれだんだん本気になっていく。
これもまた都合がよい展開ではあるけども。

優しくて頼りがいがある弘光をだんだん好きになるはとり。
利太を忘れられると確信していく。
ところが!!!!

今度は利太が、はとりを好きなことに気が付き、告白してくるという展開。

なんちゅう三角関係。
なんちゅうタイミングの悪さ。

しかし、はとりは弘光を好きになっていて、利太がしつこく言ってくることで弘光に誤解されたりして、迷惑したりもする。
他の人のものになって初めて、ほんとは好きだったんだと気が付くなんてねぇ。
そんなもんかもしれんけど。
自分勝手だなぁと思わんでもないわ。
さんざん傷つけておいて、やっぱり好きだなんてねぇ。

てことで、常に三角関係モードな恋愛の行く末は??
はとりは一体どっちを選ぶのか?みたいなお話ですわ。

けっ!イケメンに好かれていいですな!

という、ねたみはおいといて…。

まぁなかなかに面白いです。
コメディとしても笑えるし、色々こずるい考えを持つことも赤裸々に描かれているのでリアルな感じ。
幼馴染の彼がイケメンでモテてて…という段階ですでにもう都合がいいし、少女マンガでしかありえないんだけど面白い。
ちなみに私の幼馴染の男は二人いますが、どちらもイケメンってほどではなく、普通の人です。
でも一人は会社の部長やったか、専務やったか、結構偉いさんになってて年収1千万くらいあるらしい。
そんなに出世するなら、3才の時に「僕、〇〇ちゃん@わたしとけっこんする!」と言ってたときに、婚約しとくんだったと後悔してます。

話が逸れたので戻しますが。


二人の男性の間で揺れるはとり…。
といううらやましすぎるお話ではあるけども、最後まで目が離せない展開です。

映画はどんな感じなのかなぁ。
レンタルしてまでは観ないけど、テレビ放映されたら観るかも。

男性が読んでも面白いとはあまり思えないけど、女子中学生、高校生、大学生、年をとっても乙女なおばちゃんには超おすすめ漫画です!!!!

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二人のイケメンから同時に告白される…ママの夢にゃ
↑それで悩んでみたい!

【本映画過去記事】
本「冷たい夢」ダイバーの女性が海の中で見た揺らぐ死体…しかし探してみても見つからない。あれは幽霊だったのか…
映画「女帝(エンペラー)」チャン・ツィイー主演、中国古代宮廷内の愛憎劇をハムレットを基に描く
本「龍は眠る」宮部 みゆき著。心を読むことができる少年と知り合った記者…彼の運命は 

 

最近本でもなんでも楽天で買ってます↓
便利やねぇ



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漫画「東京タラレバ娘3」崖っぷちアラサーの3人娘の恋の行方は前途多難で… [漫画]

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「東京タラレバ娘 3」
著者 東村アキコ

★★★★☆(個人評価 ★多めならおすすめ)

33歳倫子と小雪と香。
結婚したいけど良い男と巡り合えないと日々呑みながら愚痴る日々。
しかし3人にもそれぞれ恋の予感が。
倫子は年下モデルと一夜限りの夜を過ごし、小雪は既婚者に恋し、香は元カレのセカンドに。
それぞれ前途多難な恋に突入したのだが、倫子に新たな出会いが?!

アラサー女子のリアルな現状を描いた東京タラレバ娘の第三弾。

せっかく好きな相手が現れたにもかかわらず、3人ともにそれぞれ問題がある相手ばかり。
倫子は人気年下イケメンモデルにやり捨てられた…と落ち込み、小雪は妻が現在出産のため実家に帰っている既婚者と恋愛中、香は元カレのバンドマンの何番目かの女に。。。。

このままではだめだ…と思ってはいるけど、現状、誰かに優しくして欲しい…という願いには勝てない。
未来がないとわかってはいても、今、愛してるふりをして欲しいという思いから、それぞれ相手を振り切れない。

結婚を最終目標にしなければ、どんな相手でもお互い好きであれば楽しい恋愛ができるとは思うんだけどね。
結婚…という二文字が頭にある限りは悩ましい恋愛になってしまうわ。

自立できていれば結婚結婚と言わなくてもいいんだけど、倫子は脚本家としての仕事がなくなっていってるし、香は経営してるネイルサロンが苦しい状況だし、小雪は年を取った父親が心配。
それぞれ早く結婚したい!と願っている状況。
ただ…。

この人たち、逃避の手段としての結婚を望んでいるのが問題な気がする。
仕事が上手くいかないから、結婚して養ってほしい、幸せにして欲しい…と結婚相手に対し過剰な期待をしている。
そういう考えの結婚は絶対上手くいかないと思うけどねぇ。


相手に幸せにして欲しいと思ってる限りは幸せになるのは難しいと思うわ。
それじゃ、すべて相手のせいになってしまうし、少しの事で、あれ?こんなはずじゃ…ってなるやん。
一緒にいたいとか、幸せになる自信が自分にないと難しいわ。
仕事がイヤだから結婚する…とか、違うよねぇ。
結婚したって仕事できるし。
家にずっと居て専業主婦して、それが幸せな人と違う人がいるのに。

今回、不倫している小雪は一度は別れを決心するにもかかわらず、やっぱり別れられない。
相手には出産のため里帰りしてる妻がいて、幸せそうなフェイスブックも見てるのに…。
これはもう未来に暗雲しか見えない状態…。

香も同じ。
相手は軽いバンドマンで、他にも女がいっぱいいる感じ。
でも、誘われると断れない。
これは好きだから…というよりかは、香の「なにもないよりマシ」状態だからだと思う。
逢ってる間は優しいし、自分を好きでいてくれるような幻想を抱けるからね。
なにもないよりかは、元カレでも彼女がいても、今優しくしてもらえる方がイイ…と思ってるんだろう。
寂しさからくるずるずる状態。
でもおそらくこの状態だと傷つくだけで、新しい恋にも目を向けずらい。
できればきっぱり切って、新たに彼氏を探すのがいいんだけどねぇ。
とりあえず…ないよりかは…というのが一番あかんわ。


そして倫子。
脚本家の仕事が上手くいかない。
あげくの果てには、弟子の脚本が採用される始末。
もう仕事もなく干されるばかり。
将来の不安が迫ってくるわな、これは。
急いで結婚しなきゃ!と思う気持ちもすっごくよくわかる。

そんな時に出会った、めちゃ良い男。
bar経営で、男らしく、イケメンで、優しく、高身長。
しかも倫子に気があるらしい…。
夢のような状態に突入する倫子。
付き合うことになるのだが…。

ラストのページでほんのりヤバい雰囲気が…。

なんかね~。ほんと読んでて胸が痛くなる漫画。
友達でこういうのいる…と思えるし。
30代ってすごく微妙な年代だからねぇ。
子供産みたいなら30代の間だろうし。
結婚できるのも30代の間。
この10年間が勝負!と言っても過言ではないわな。
しかも一年一年40に近づく。
出産年齢も結婚年齢もぎりぎりになっていく。
仕事が順調なら心配ないし、独りで生きていく決断もできるけど、もし仕事がなくなりそうだったら…。
30代だと転職も難しいし。

将来を考えた時に、不安で不安で怖くなってしまうのはわかる。
なんか、女性は年齢制限が厳しいからきつい。
男性は基本的には若い子が好きやし…。
これは、子孫繁栄のための本能やからね。

何も考えず、ただただ好き!で20代で結婚するのが一番いいのかもしれんわ。
ん?と思っても、子供できたり、家買ったり、なんていうか忙しくてあまり疑問も持たないやろし。
人それぞれやとは思うけどさ。

この漫画読んで、胸が痛くならない女性はいない気がするなぁ。
特に独身女性はね。

倫子は理想の男性を見つけたっぽいけど、なんらか不穏なものがある気がするし。。。
だってあんなイケメンが独身ってだけで、不思議やん。
彼女もいないって有りえないやん。
なんらか性格に難があるに違いない…。。。
などと、大きなお世話を想像しながら続きを楽しみに待ちたいと思います。


 
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女性って大変だにゃぁ…




こういうの見ると食べたくなる!↓


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漫画「漂流教室」梅図かずおが描く未来の日本。未来へと飛ばされてしまった小学生たちは生き残れるのか?! [漫画]

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「漂流教室」
著者 梅図かずお

★★★★☆(個人評価 ★多めならおすすめ)

ある日小学校が町から消えた。
中にいた先生、小学生もろとも未来へと飛ばされてしまったのだ。
荒涼とした砂漠へと姿を変えていた町。
混乱する大人に、生きていこうと頑張る子供。
果たして彼らはこの荒れ果てた未来で生き残ることができるのか?!

梅図かずおの絵が怖くてずっと敬遠していた漫画。
ある時ドラマ化されたのをきっかけに購入。 
たちまち夢中で全巻読みつくした。 
人間の怖さ、もろさ、汚さ、そして生き抜こうとする強さがあまりにも強烈に描かれていてぞっとすると同時に感嘆する。 

でもでもやっぱり絵が怖い!
大人も子供も怖い…。
特に狂気に陥った大人が怖いけど…。 

でも…。
これ本当に昔に書かれたの?ってくらいに未来の描き方がリアルっぽかった。
確かにこのまま原発を立て続けたらいつか放射能により人や動物が住めない土地になるような気がする。 
小学校が飛ばされた場所も、空は曇り水はなく、緑はまったくない砂漠。
おそらく何十年も放射能に侵された土地。
説明はないけどそんな感じ。
町も何もかもがなくなっている。

文明を現すものが何もないまま、それでもいつか元に戻れると信じて子供たちは生きていく。
しかし大人たちの方が精神を病むのが早い。
実際にはどうなんだろうね。
小学校の先生であれば、なんとか子供を守ろうとするような気もするし。
でもあんなわけのわからない世界に飛ばされてしまったら…。
自分の子供でもない限りは自分自身のことで精いっぱいになるのだろうか。

漫画では先生はまったくだめだめやったけど、ドラマではしっかり子供たちを守ろうとしていた。
あれが普通の姿だと信じたいけど、この漫画もまたリアルっぽいんだよなぁ。
給食のパンを自分一人のものだと独り占めするおっさんとか。
なぜか生徒を殺そうとする先生とか。
目を背けたいほど大人の醜さが出てて嫌になるほど。

実際には小さい子供の方が現実に対応する力はあるのかもしれない。
大人は考えすぎるかもしれんね。
一体なぜ?とかここはどこなんだとか。
どうやったらもとに戻れるのかとか。
絶望するのも早い気がする。
子供たちは生きることを優先する。
大きな子供たちは小さな下級生を守ろうとする。
絶望と無縁なのは子供たちだけかもしれないな。

漫画には描かれていないけど、おそらく地球が子供たちを過去から呼び戻したのだと思う。
放射能に汚染され生物が生きられない世界が長く続き、その放射能が薄らぎ生物が住める状態にかろうじて再生した地球。
でも生物はどこにもいない。
酸素を取り込み二酸化炭素を排出し、緑を増やし、また青空を取り戻すためには生物が必要。
過去から選ばれたのは小学生たち。
子供たちの生きる力で人類を再度再生させ、今度こそ間違った道へ進まないよう祈りながら見守るという感じ。
小学生が選ばれたのは可能性があるからじゃないかな。
柔軟な考えに、若い肉体。
今後人類が増えていくためにも若い人間が必要だからね。 

と、勝手な妄想をしているわたくしですが、実際梅図先生がどう考えていたのかはわかりませんけども。
しかしこのまま地震大国の日本に原発を建て続けたらこの未来は本当になってしまうと思う。
原発を建てたがっているのは大人。
利権のため必死に建設や稼働を押し付けてくる。
放射能が漏れたって、その頃には自分たちは死んでるもんねぇ。
原発は未来への遺産ではなく、子供たちへの負債なんだけども。
なんでそれに気が付かないのか。いや、気が付いているのであればもっと罪深いわ。
常に放出される核廃棄物の捨て場所さえないのにあほちゃうかと思うけど、そうは思わない、それに言及しない政治家や官僚が多すぎるわ。

漫画の感想に戻るけども。
欲を言えば、妄想から出てくる虫はいらんかった。
あと、毒スモッグも。
生きていくだけで過酷な環境なんやから、余計なものを出してくる必要なかった気がするわ。
しかし、これだけ子供を残酷に殺しまくる本もないんちゃうか。
それだけでもすごい。
ラストも救いがあるようなないような。
でも続きが気になって一気読み。

過去から未来へと打ち上げられたロケット。
子供たちが未来に居ると確信した子供の母親が必死に各所に掛け合って、ようやく打ち上げたロケットだ。
ずっと宇宙にあって数十年後地上に降り立つという設定。
そんなうまくいくかいな…とは思うけど、そこは漫画で、救いも必要だしね。
おそらく中には今後生きていく上で必要なものが入っているんだろう。
できればロケットの中身が知りたかったな。

ていうか、短編でもいいのでこの続きが読みたいわ。
梅図先生!死ぬまでに描いてくださいね!(失礼な)。


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そんにゃ未来には絶対行きたくにゃい!

【本映画過去記事】
本「百年法 上」山田 宗樹が描く不老化した人間、百年経ったら安楽死…の法律、百年法。日本の未来は?
映画「アベンジャーズ」アイアンマン、キャプテンアメリカ、ソー、ハルク、米ヒーロー達が悪と戦う!
映画「マリー・アントワネット」悲劇の王妃マリー・アントワネットの生涯を描いた豪華絢爛宮廷生活映画

たぶん私のトラウマはこれ↓


これ読んで怖くて怖くて眠れなかったような…


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漫画「東京タラレバ娘2」アラサー女3人の恋愛はことごとく上手くいかない…愛は手に入るのか? [漫画]

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「東京タラレバ娘2」
著者 東村アキコ

★★★★★(個人評価 ★多めならおすすめ)

33歳になった倫子、香、小雪の3人は居酒屋に集まってお酒を飲んではタラレバ話ばかり。
「もし好きになれレバ…」「ダイエット成功しタラ…」
自分たちがそろそろ瀬戸際にいると感じ始めた3人。
あせり始めるが世間の風がアラサーに冷たいことに今更気が付く。
そんなとき、倫子が人気モデルのkeyと関係を持つ…。
keyの考えてることがわからず、倫子は次の手が出せない。
この恋はありなのか、なしなのか…。

東京タラレバ娘第二弾。

一巻の終わりで、倫子が人気モデルのkeyと旅館で関係を持つ。
「俺に枕営業してみろよ」の一言でそうなってしまうのだが。。

これは確かに次の手が見つからないなぁ。
だって相手が一体どういう考えでどういう気持ちで自分と寝たのかがわからないもんな。
でも嫌いなのに寝るとは思えないし。
かと言って自分の事を好きだとも思えない。
なんとなくそういう気になったのかなぁとも思えるし。

わたしだったら、きっと相手は、愚痴愚痴言うわたしに対していらついて、もっと前向きなれよ…みたいな同情とも違うけど、恋愛感情ではない気持ちで寝たんだと思うだろうな。
倫子も彼が恋愛感情を持ったのだとは思わない。
気の迷い…だと思う。
だからこそ、次の手が見つからない。
寝たからと言って付き合うわけでもなし。

ただただ体の関係を一回限り持っただけ…。
遊びとも違う、なんだろ、寂しい感情がそうさせたような…。
これは難しいね。
もし自分が相手の若い男の子を好きになってしまったらキツイわ。
寝たことは嬉しい事だけど、相手に感情があるのかないのか…わからないし、あまりみっともない事もしたくないし。
葛藤するだろうな。

倫子の親友の香の反応は、「ないよりマシ」
小雪は「こんな苦しむなら何もないほうがマシ」
わたしだったら、「ないよりマシ」だけどなぁ。
苦しもうが悩もうが、ないよりいいじゃん!と思うけども…。

二巻はまず倫子の苦しみから始まり、香が成功したバンドマンの元カレと再会。
しかし彼にはモデルの彼女がいて、元には戻れない。
なのに、彼と寝てしまう香。
おそらく彼は深く考えてない。
モデルの彼女も、元カノの香もどちらも好き♪みたいな軽いノリだと思う。
これも幸せな恋愛とは言えない。
でも香にすれば、「ないよりマシ」なんだと思う。

しっかり者の小雪。
居酒屋に来たお客に一目ぼれ。
しかし相手は既婚者。
妻とは別居状態だと言われ、
「僕は結婚している。嫌だと言われたら諦める。君が決めて」と言われて、誠実な優しい人だと思い関係を持つ。

バカだな!

これは優しいんじゃなくて単に責任逃れしてるだけやのに。
君が選んだことだと言いたいがために、そうやって選ばせてるのに。
嫌だと言わないと見越して言ってるのに。
こういう変に優しい感じの男が一番優柔不断でいい加減で絶対自分のものにはならないのに!
小雪は自分をしっかり者だと思ってて、そこが付け込まれやすいんだと思う。
自分で決めたんだから…と思ってしまうと、きっと相手を責められない。
自分は大人の女だから不倫であっても上手く対処できる…そう思い込んでるだろうし。

第二巻では3人それぞれが恋に苦しむことになる。
相手がみんな癖がある男ばっかり。
倫子は年下の人気モデルで考えがまったく読めない相手。
香は元カレのバンドマンで今は売れてて、今カノはモデル。
小雪は不倫。

せっかく出会いがあったのに3人ともに前途多難な感じ。
いい年してるから恋愛に失敗しない…なんてことはないんだな、これが。
いくつになっても、余裕がない時に知り合ったらろくなことがないわ。

相変わらず共感できる事ばかりのこの漫画。
帯の言葉がもう痛々しい。
「もう33歳だけど40オーバーの独身女よりマシ」
「やりたい仕事で飯食えてるだけマシ」
「あの女よりも顔もスタイルもマシ」
でもどれだけマシを数えても全然幸せじゃない

確かに本当にそうなんだから仕方ない。
あの人よりマシだとか、あれよりマシとか考えて優越感を持とうとするけど、でも自分を振り返ってみれば、もしかしたら見下したその人より幸せが少ないかもしれない。
幸せって誰かと比べて、あの人より多いとか少ないとか言えないとこがつらいとこだもんなぁ。
その人が幸せかどうか…。
それはその人個人個人の想いや考えによるから。
幸せだ~と心底思えたら幸せだし、私って幸せじゃない…と思ったらその時点で幸せはどこにもない。

案外幸せは探さないとあかんものなのかもしれん。
同じ境遇で、幸せだと思える人と、思えない人とがいる。
倫子の立場だってそう。
若い人気モデルと寝た!そのことで彼の気持ちが掴めず倫子は愛が手に入らなかったと落ち込む。
わたしだったら、寝れただけ幸せやん!なんてラッキー!と思えるからな。
相手に愛があるかないかなんて関係ないやん。
幸せなんて考え方ひとつでいくらでも手に入るもんなんよね。

素敵な彼氏がいる、結婚してる、子供がいる、お金がある、そういうことが必ずしも幸せにつながるとは思えない。
本人が幸せだと感じなければ絶対幸せになれないんよ。
他人と比べてマシを数えたり、不幸せを数えたりするんじゃなくて、持ってる幸せを数える方が百倍いいのに。

と、この漫画を読むと、女の幸せとはなんなのか、一体どうすれば幸せになれるのか?をめちゃくちゃ考えさせられるわ。
女が漠然と考える幸せは必ずしも本人の幸せに繋がるとは限らないってことが痛々しい。

この3人が一体これからどうなるのか…。
3巻をめちゃくちゃ楽しみにしたいと思います。
なんか、自分の幸せ感を語ってしまったな…。

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わたちは幸せ…←だといいな…。

【本映画過去記事】
映画「おとなのけんか」子供の喧嘩に双方の親が話し合うのだが…徐々に本音が
本「大泉エッセイ」大泉洋が綴った18年間の軌跡。どうでしょう裏話家族の話等々満載! 
映画「バイオハザードIII 」世界中にウイルスが蔓延。人類滅亡の危機の中アリスが… 


東京タラレバ娘  コミック 全9巻 セット

東京タラレバ娘  コミック 全9巻 セット

  • 作者: 東村アキコ
  • 出版社/メーカー:
  • メディア: コミック




 


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