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本「ホワイトデス」瀬戸内海に巨大サメが現れた!次々と襲われる人々… [本]

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本「ホワイトデス」 著者 雪富 千晶紀

★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)

瀬戸内海に凶暴なサメが三匹も現れる。
外洋に出ていこうとしないサメたち。
そして人間が襲われる悲劇が起こる。
魚が取れず困った漁港の人々はサメを殺そうとするが…。

ホワイトデス

ホワイトデス

  • 作者: 雪富 千晶紀
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2023/04/19
  • メディア: Kindle版

以前作者さんの ブルシャークというサメ小説を読んでる。
これがまた面白くて大好きで。
あんまり日本にサメ小説ってないんだよね。
そこまでサメ被害がないからかなぁ。知らんけど。

そして待望のサメ小説第二弾。
今回は瀬戸内海。
普通えさがあまりない内海だとすぐにサメは出て行く。
ところが迷い込んできた三匹のホホジロサメたちは一向に出ていく気配がない。
それどころか人間を襲い始める。
危なくて漁に出れない漁師たちはサメを殺そうとするがうまくいかない。

サメってさ、海に出なければ危なくないからそこまで怖いと思わないやん?
けど、海に出ることが仕事の漁師さんたちだとこれは死活問題。
たまたま研究に来ていた大学の学生たちも巻き込み、サメ騒動は大きくなっていく。

ただのさ、ジョーズ的なサメに襲われる怖さ…だけを描いていないんだよね。
もちろんその描写はめっちゃ怖いんだけども。
でもそれよりもなぜサメたちは瀬戸内海から出て行かないのか…から端を発して色々な思惑が絡み合って問題を大きくしていく。

日本って捕鯨やイルカ漁で世界からバッシングされること多いよね。
そういうのも絡めてる。
動物保護の観点からもめちゃくちゃ考えさせられる小説だった。

人間を捕食するから悪…と単純には思えないところがね。
でも人間が殺されたり漁に出れなくて生活できない人が出てくるならなんとかしないといけない。
一番いいのは外洋に出て行ってくれることなんだけどなぜか出ていかない。
その理由を大学生たちが調査する。
これも面白かったな。
大学生の一人、湊子は最初全く好きになれなかった。
自分勝手でプライドが高くて頭硬くて他者にも色々な感じ方があるのだと思いやれない女性。
思い込みが激しいし。
ただ動物を守りたいという想いは強い、そのせいで突っ走るとこがイラっとさせられるんだけども。
彼女や、ユーチューバー、海保、息子をサメに殺された漁師、前作ブルシャークに出てきた准教授、それぞれの視点行動が多角的に描かれる。

これがね余計にお話を面白くしてる。
どの人も感情移入しにくいんだけどそれでも追い続けずにはいられない人々。
彼らの感情や考え、サメに対する思い等々が交差しながら怒涛のラストへ。

なぜサメが出て行かないのか…ここから始まる???がどんどん判明していく。
いや~なるほどね。
私も裏ボスの考えがわからんかったわ。
お話の最初の方から全て繋がってくるんやなぁ。

作中で少し出てくるシャチ。
これがねもう最高だったわ。
最初は怖い感じだったのがもう快哉を叫ぶ展開に!!
いいね~。これはほんとすっきりした!!
シャチはサメを殺すために誘導されたんだけど…という作中では重要な役割。
でも出番は少ない。
でも心に残る登場でしたわ。

読後感がめっちゃすっきり!!とはいかない小説ではある。
野生保護の観点から見ても、人間の考える悪だくみって底がないなぁっていうのもあるし。
それでも幸せになった登場人物もいるし少し心も軽くなるラスト。

なんか、まだまだ続きありそうやなぁ。
あるといいなぁ。
こういう小説って少ないんだもん。
サメ映画はたくさんあるのに小説はそんなないもんな。
動物パニックもの大好きなのでまた探します。

ホワイトデス.jpg


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