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本「祝もものき事務所」探偵でもない何でも屋でもない…それがもものき事務所… [本]

「祝もものき事務所」著者 茅田砂胡



★★★☆☆(個人評価 ★多めならおすすめ)



もものき事務所の主人は百之喜太朗(もものき たろう)。
やる気もなければ根性もない、極度の方向音痴。
今日もやってきたお客の仕事を断ろうとするが、優秀な秘書の花祥院凰華(かしょういん おうか)がそれをゆるさない。
依頼は殺人罪で捕まった弟の有罪を無罪にして欲しいという無茶なものだった。
証拠の凶器もありアリバイもない、確実有罪物件をもものきは無罪にすることができるのか




祝もものき事務所 1-4巻セット (C★NOVELSファンタジア)

祝もものき事務所 1-4巻セット (C★NOVELSファンタジア)

  • 作者: 茅田 砂胡
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/07/29
  • メディア: 新書
  •  


 



 


久しぶりの茅田砂胡さん。
やっぱり面白いな。
本人があとがきで書いておられるようにミステリーではない…のかな。
いや一応犯人とかなんでそうなったのか、みたいな謎解きスタイルだしミステリーではあるよね。
ただ…。



犯人探しが目的ってわけでもなく、なんで依頼人の弟が犯人にされたのか、一体どういうわけで被害者は殺されたのか…という理由をもものき、そしてもものきの幼馴染たちが解き明かしていく。



ただし!主人公のもものきの頼りないこと頼りないこと。
周囲の幼馴染たちがいなかったら何もできない人。
読み終えてもあまり活躍したという感じがしないのが不思議。
けどこれが茅田砂胡さんの小説だからこその、魅力あふれる人物なんだよねぇ。



仕事をなるべくしたくない、面倒なことは嫌い、なんかぽやぽやした人物。
けれどその体質なのか、事件を引き寄せ事件を解決に導くのだ。



周囲の幼馴染、雉名俊介(きじな しゅんすけ)弁護士。
鬼光智也(おにみつ ともや)公務員で優秀なハッカー。
犬槇蓮翔(いぬまき れんしょう)可愛い顔をした格闘家。
芳猿梓(よしざる あずさ)舞台役者。剣道の達人。



この四人の協力によって事件を解決していく。


もものき.png



ていうか、ほぼ雉名弁護士の力のような気も。。。



で、もものきが桃太郎で、おとものキジ、サル、イヌ、なぜかオニまで、というね。



事件はある会社内で殺人が起こり、最後に被害者と一緒にいた男が逮捕される。
彼の車からは凶器のナイフが見つかっており、アリバイもない。
逮捕された男の姉がもものき事務所に無罪にしてくれと依頼しにくるお話。



この事件に深く関わってくるのが、東京都内ではあるがものすんごい田舎の旧家。
村には親戚がいっぱいいて、お金持ちで、昔からの風習を重んじ、見栄っ張りで昭和か明治時代の考えの持ち主たち。
読んでてもう腹立つ腹立つ。


もものき2.png



そんな家で育てられた子供は逃げ出したり、いつまでも囚われていたりとどちらもかわいそうな境遇。
いやまぁ逃げ出すことができた子たちは幸せなのか…な。
親の愛情を受けることができなかったのは不幸なのだろうな。



茅田さんがミステリーではないと断言するのは、犯人探しがメインではなく旧家に囚われた人たちの人間模様が主だからかな。
犯人が判明しても、ああ、そうなのか、くらいの印象しかないし。



まだこのお話では、そこまでもものきの人となりとか、幼馴染たちの性格等は浮彫にはされていない。
もものきは良い人なんだろうな、程度。



まだ続きが買ってあるので読むのが楽しみだわ。



茅田砂胡さんの小説は何といっても登場人物の魅力にある。
常人とは思えない能力の持ち主ばかりだけど(笑)



あ、ひとつ強烈に思った感想があったわ。



この小説に出てくる男たち…頼りなさすぎ!!!!!!!!!(もものき含む幼馴染と秘書除く)




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