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本「大西洋漂流76日間」ヨットが転覆、大西洋を一人ぼっちで漂流することに。 [本]

「大西洋漂流76日間」 著者 スティーブン・キャラハン

★★★☆☆(個人評価 ★多めならおすすめ)

 

大西洋の真っただ中で小型ヨットが転覆。
たったひとりで76日間も海を漂流したキャラハン。
飲み水も食べ物もなく救命ボートで漂い続ける。

大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)

大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1999/05/01
  • メディア: 文庫

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海上遭難者の90%が遭難して三日以内に死んでしまうらしい。
飲み水や食べ物がなくても人間はもっと生きられる。
なのにたった三日で死亡するのは人間の精神力というのがいかに脆いか…ということ。

海難事故から生還を遂げる人はそう多くはない。
なのにこの著者は76日もの間海を漂い、魚を取り、蒸留器で真水を作り、脆いボートを修理しながら生き残ったのだ。

いやもうね、最初から、あ~私なら即座に死んでるな、という場面ばかり。
乗っていた小型ヨットが転覆した時、救命ボートを膨らませ装備をなるべくかき集め乗り込む。
いやいやこんなことすらできないわ。

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そして壮絶としか言いようのない日々が始まる。
救命ボートは空気を入れ続けなければしぼんでしまう。
真水を作るための蒸留器はすぐ壊れてしまう。
魚を捕る水中銃もそう簡単に捕獲できるものでもない。

 

しかもボートは狭く体を伸ばして寝ることもできない。
足元は不安定でしょっちゅう海水であふれる。
乾いた場所がなく、昼間は暑く夜は寒い。

 

読んでても息苦しくなるくらい次から次へと難題がふりかかる。
まだ無人島に流れ着いたほうがましやね。
海の上を漂う、しかもいつ壊れるかわからないボートで…こんなん地獄や。。。

 

ほんとこの人の精神力恐ろしいわ。

 

必死に戦い必死に生きようとしあきらめない。
孤独に加え、いつ果てるともわからない漂流生活。
物資は乏しく工夫しボートや装備を修理していく。

 

渇きや飢えに苦しみ、肉体も傷だらけになっていく。

 

海に詳しくもともと孤独に強く、遭難者の生還本をバイブルとしていたにしても、よ。
よくもまぁこれだけの日々を生き延びられたなぁと。

 

運もあるだろうけどやっぱ精神力だよね。
あきらめそうにもなるんだけどその都度立ち上がる。
身体はもうぼろぼろになってるのに。

ほんとこれが実話だとは。
映画より映画らしい感じ。

 

生還するとわかってるからまぁ安心して読めたけどね。
それでもはらはらどきどきします。

 

何もない海の上で、星から位置を割り出しあとどれだけ経てば船の航路に入るかとか、どっちの方角なら陸地があるとか、知識が半端ない。
少ない物資でボートや必要な機器を修理するのもほんとにすごいわ。
とにかくあきらめない。
この一言やね。

 

しかし陸地でのサバイバルとは違って海はもう恐ろしいわ。
身体の下に広がる水、足元が安定しないということがもう怖い。
サメも怖いし嵐も怖い。
ふわふわ漂っているのがもう怖い。

 

小型ヨットなんかで海に出るなんて一生ないとは思うけど、絶対いやだ。
なんだったら大型客船でも怖いわ。

 

あとがきに、もう一人の自ら漂流実験を行った人の話が載っている。
海水を少し飲むのは5日間に限り有効だったり、サメは櫂で頭を殴れば撃退できるとか、そっちのほうが役に立ちそうな知識だった。
著者の経験とか修理法とか位置特定法とかとても真似できそうもないもんな。

 

あ、いや、今後海に出ることはまぁないだろうし漂流することもないだろうから、もともと役に立たない情報ではあるんだけども。
乗ってた船が転覆したらその時点でなんとか苦しまずに死ねたら一番いいな、と罰当たりなことまで考えたわ。
救命ボートで漂流するなんて耐えられそうもない。

 

サバイバル物は大好きなんだけど、海は絶対いやだ…と再認識できた本です。
そして人間諦めなければ道は開ける…とも。
そして私には無理だな…とも。

 


船で旅行する際にはぜひともこの一冊を持参することをおすすめします!

 

 

せいぜい災害に備えて食料品を備蓄するくらいしかできんわ現状。。。

 


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