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漫画「漂流教室」梅図かずおが描く未来の日本。未来へと飛ばされてしまった小学生たちは生き残れるのか?! [漫画]

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「漂流教室」
著者 梅図かずお

★★★★☆(個人評価 ★多めならおすすめ)

ある日小学校が町から消えた。
中にいた先生、小学生もろとも未来へと飛ばされてしまったのだ。
荒涼とした砂漠へと姿を変えていた町。
混乱する大人に、生きていこうと頑張る子供。
果たして彼らはこの荒れ果てた未来で生き残ることができるのか?!

梅図かずおの絵が怖くてずっと敬遠していた漫画。
ある時ドラマ化されたのをきっかけに購入。 
たちまち夢中で全巻読みつくした。 
人間の怖さ、もろさ、汚さ、そして生き抜こうとする強さがあまりにも強烈に描かれていてぞっとすると同時に感嘆する。 

でもでもやっぱり絵が怖い!
大人も子供も怖い…。
特に狂気に陥った大人が怖いけど…。 

でも…。
これ本当に昔に書かれたの?ってくらいに未来の描き方がリアルっぽかった。
確かにこのまま原発を立て続けたらいつか放射能により人や動物が住めない土地になるような気がする。 
小学校が飛ばされた場所も、空は曇り水はなく、緑はまったくない砂漠。
おそらく何十年も放射能に侵された土地。
説明はないけどそんな感じ。
町も何もかもがなくなっている。

文明を現すものが何もないまま、それでもいつか元に戻れると信じて子供たちは生きていく。
しかし大人たちの方が精神を病むのが早い。
実際にはどうなんだろうね。
小学校の先生であれば、なんとか子供を守ろうとするような気もするし。
でもあんなわけのわからない世界に飛ばされてしまったら…。
自分の子供でもない限りは自分自身のことで精いっぱいになるのだろうか。

漫画では先生はまったくだめだめやったけど、ドラマではしっかり子供たちを守ろうとしていた。
あれが普通の姿だと信じたいけど、この漫画もまたリアルっぽいんだよなぁ。
給食のパンを自分一人のものだと独り占めするおっさんとか。
なぜか生徒を殺そうとする先生とか。
目を背けたいほど大人の醜さが出てて嫌になるほど。

実際には小さい子供の方が現実に対応する力はあるのかもしれない。
大人は考えすぎるかもしれんね。
一体なぜ?とかここはどこなんだとか。
どうやったらもとに戻れるのかとか。
絶望するのも早い気がする。
子供たちは生きることを優先する。
大きな子供たちは小さな下級生を守ろうとする。
絶望と無縁なのは子供たちだけかもしれないな。

漫画には描かれていないけど、おそらく地球が子供たちを過去から呼び戻したのだと思う。
放射能に汚染され生物が生きられない世界が長く続き、その放射能が薄らぎ生物が住める状態にかろうじて再生した地球。
でも生物はどこにもいない。
酸素を取り込み二酸化炭素を排出し、緑を増やし、また青空を取り戻すためには生物が必要。
過去から選ばれたのは小学生たち。
子供たちの生きる力で人類を再度再生させ、今度こそ間違った道へ進まないよう祈りながら見守るという感じ。
小学生が選ばれたのは可能性があるからじゃないかな。
柔軟な考えに、若い肉体。
今後人類が増えていくためにも若い人間が必要だからね。 

と、勝手な妄想をしているわたくしですが、実際梅図先生がどう考えていたのかはわかりませんけども。
しかしこのまま地震大国の日本に原発を建て続けたらこの未来は本当になってしまうと思う。
原発を建てたがっているのは大人。
利権のため必死に建設や稼働を押し付けてくる。
放射能が漏れたって、その頃には自分たちは死んでるもんねぇ。
原発は未来への遺産ではなく、子供たちへの負債なんだけども。
なんでそれに気が付かないのか。いや、気が付いているのであればもっと罪深いわ。
常に放出される核廃棄物の捨て場所さえないのにあほちゃうかと思うけど、そうは思わない、それに言及しない政治家や官僚が多すぎるわ。

漫画の感想に戻るけども。
欲を言えば、妄想から出てくる虫はいらんかった。
あと、毒スモッグも。
生きていくだけで過酷な環境なんやから、余計なものを出してくる必要なかった気がするわ。
しかし、これだけ子供を残酷に殺しまくる本もないんちゃうか。
それだけでもすごい。
ラストも救いがあるようなないような。
でも続きが気になって一気読み。

過去から未来へと打ち上げられたロケット。
子供たちが未来に居ると確信した子供の母親が必死に各所に掛け合って、ようやく打ち上げたロケットだ。
ずっと宇宙にあって数十年後地上に降り立つという設定。
そんなうまくいくかいな…とは思うけど、そこは漫画で、救いも必要だしね。
おそらく中には今後生きていく上で必要なものが入っているんだろう。
できればロケットの中身が知りたかったな。

ていうか、短編でもいいのでこの続きが読みたいわ。
梅図先生!死ぬまでに描いてくださいね!(失礼な)。


ルナ121.jpg

そんにゃ未来には絶対行きたくにゃい!

【本映画過去記事】
本「百年法 上」山田 宗樹が描く不老化した人間、百年経ったら安楽死…の法律、百年法。日本の未来は?
映画「アベンジャーズ」アイアンマン、キャプテンアメリカ、ソー、ハルク、米ヒーロー達が悪と戦う!
映画「マリー・アントワネット」悲劇の王妃マリー・アントワネットの生涯を描いた豪華絢爛宮廷生活映画

たぶん私のトラウマはこれ↓


これ読んで怖くて怖くて眠れなかったような…


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コメント 4

ojioji

「漂流教室」、ドラマ化されていたのですか。されてほしくなかった。
作品については記事で詳しく書いてくださっていて、いっぱい思い出せました。特に、あの関谷?のおっさんの怖さ、気味の悪さ。
未来の地球が子供たちを呼んだという解釈、すごい、なるほどです。だから、最後、いちばん若いユウちゃんだけが還れるのか。あの終わり方、ぼくは好きでした。世界が広がる感覚。
少年サンデー連載時からの読者、中学高校のときかなあ。おろち、洗礼。まことちゃんは学生時代、銭湯にあったサンデーで毎週(^_^)、懐かし〜。
わたしは真悟、神の左手悪魔の右手、十四歳、塾の自習室に置いてました。素晴らしい塾。「ドクター秩父山」も置いてたのは内緒。同好の士が生徒にも一部いたのもので(^O^)。ちゃんとAKIRAやブラック・ジャックや動物のお医者さんやMONSTERとかも置いてました、念の為。
あっ、「へび女」だ(^_^)、楳図漫画、小さいころからかなり影響受けてます。墓場小僧、八つ墓村などと共に。
ところで、近田春夫の名曲「ああ、レディハリケーン」と「エレクトリック・ラブ・ストーリー」は楳図かずお氏の作詞。ミュージックテープ持ってます(^_^;)
by ojioji (2015-09-03 17:27) 

youyou_s

>ojiojiさん 作詞もされてたんですか!知らなかったです!!
ドラマは常盤貴子とか窪塚洋介が主演じゃなかったかな。あれは別物と考えた方がいい感じでした。ラストも全然違ったし。でもドラマはドラマで面白かったです。
梅図先生の絵がもう怖くて怖くて、大人になってからようやく漂流教室を読めたくらいです…。
でも梅図先生の発想力にもう尊敬の念が…。他の作品も怖がらないで読んでみようかな…と思います。
by youyou_s (2015-09-03 17:43) 

mitsuya

ほんと、あの人の絵はトラウマになります。少女マンガによくホラー漫画を連載してましたよね?まことちゃんもダメでしたもん(¯―¯٥) でもあの人ウルトラマンも描いてたんですよねぇ(¯―¯٥)
by mitsuya (2015-09-04 10:04) 

youyou_s

>mitsuyaさん ええ~。少女漫画に連載?りぼんとか読んでましたけど、梅図さんはなかった…。あれを少女漫画に乗せたらトラウマ続出でしょう。
まことちゃんも全然読んでませんわ。私もあれも絵が嫌いで。
ウルトラマン?マジで?漫画のウルトラマンを知らないので全然それも知りませんでした。
奥が深いな梅図…。。。
by youyou_s (2015-09-04 18:48) 

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