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映画「おろしや国酔夢譚」18世紀鎖国中の日本人がシベリアに漂着、彼らの帰国の夢は叶うのか [映画]

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「おろしや国酔夢譚」
1992年日本映画

★★★☆☆(個人評価 ★多めならおすすめ)

監督 佐藤純彌

出演者 緒方拳 西田敏行 沖田浩之 川谷拓三

1782年、日本伊勢から江戸へと出航した神昌丸乗組員17名は嵐の中難破し、約8か月の漂流ののち、北の果てのロシア領の島に漂着する。
漂流の間と厳しい島の自然の中、生き残ったのは6名。
6名は島で毛皮を取っていたロシア人たちと協力し、船を作りカムチャッカに渡る。
そこで帰国の道を探るが提督の許可が下りず、彼らは直訴をするためシベリアを横断し様々な都市へと過酷な旅をする。
旅の途中で1名が死亡。
帰国するには皇帝の許可が必要とわかり、船頭の大黒屋光太夫は友人となったロシア人学者と共に帝都ペテルブルグに向かい女帝に拝謁する。
残った5名の運命とは…。

実話を基に井上靖が書き起こした小説が原作。

【ネタバレしてます、未見の方は注意】

鎖国の時代に必死で日本に帰ろうと頑張った日本人のお話。
帰国がかなわずどんどん亡くなっていく乗組員たち。
どれほど日本に帰りたかっただろうか。

しかし、伊勢を出発し、江戸へ向かうのに、北の果てに着いちゃうなんて運が悪いとしか。
いや、でも当時の船で生き残れただけでも奇跡なんだろうな。
次々と難題が降りかかり飽きずに楽しめましたわ。

船頭の大黒屋光太夫が素晴らしい。
彼は最後まで生き残り必死に船員たちを日本へ返そうと頑張る。
緒方拳が演じてたけどハマリ役だった。
西田敏行も良かった。
彼はシベリアの過酷な寒さのせいで片足を凍傷で失う。
生きる希望すら失った彼だったが、優しく看護してくれるロシア人女性や仲間の力で立ち直る。

ものすごい寒さの中、原野を数か月旅するなんて考えられない。
ソリで移動するのだけれど、引っ張っているトナカイだって可哀相。
途中で助けられ馬に代わるけれど、それも可哀相だし。
でもどこの国でも親切な人はいるのだなぁと安心したわ。
ロシアで友人になった人に助けられなかったら、きっと光太夫たちは生き延びられなかっただろう。

女帝に拝謁するなんてよくもそこまで頑張ったなぁ。
普通は会えないやろに。
日本に帰りたい一心で努力し、諦めなかったからこそ女帝の許可が下りて日本へ帰れることになった。

けれど、一人はロシア女性と結婚しロシアに残ることになり、足を切断した男もキリスト教に入信したため帰国できなくなってしまう。
最終的にはたった3名が帰国の途に着くことになる。

けれどせっかく日本に着いてもなかなか日本の地に降り立つことができない。
鎖国真っ最中の日本はロシアを日本に上陸させることができないのだ。
目の前に日本があるのに船から降りられない光太夫たち。
そして船の中でとうとう1名が息を引き取ることに。

想い焦がれた日本が目の前にあるのに上陸できない不条理さ。
そして上陸すれば死罪だと言われる。
外国から戻ったものは非国民扱いなのだ。
国交を得ようとロシアは漂着民を届けに来たのだったが、日本から拒絶され、光太夫らは帰国できないかに思えたが、ロシア側が長崎に着港できることになり、とうとう光太夫らたった2名になったが日本へ上陸できることになる。

日本に上陸した光太夫らはいったん幽閉されるがのちに解放され、帰郷したり、江戸で暮らしたりしたらしい。
なんにも悪いことはしていないのに、外国に漂着したがために迫害されるのはおかしいもんねぇ。
日本が鎖国してたのがあかんのやけども。

ずっとずっと願って努力し続ければ夢は叶う…ちょっと違った形かもしれんけど、という映画。
光太夫たちの波乱万丈の人生にくぎ付けでした。
なかなか面白い映画です!

ルナ121.jpg

船が難破したらいやだにゃぁ、、泳げにゃい

↑そもそもあなた船に乗らないから!

【本映画過去記事】
本「迷宮警視正」まるで吸血鬼のような警視正、星乃神。迷宮入りが得意らしいのだが… 
映画「バーレスク」歌手を夢見る女性がロサンゼルスのクラブで歌い踊り…そして恋も
映画「ラヂオの時間」三谷幸喜監督作。ラジオドラマの現場での大混乱をコメディタッチに描く。 

 




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mitsuya

私生活ではちょっと迷走しちゃいましたけど、緒形拳って好きなんですよ(^_^) ただうちの奥さんは子供の頃、緒形拳の息子さんと同じクラスでキライだったそうです( ̄ー ̄)ニヤリ…
by mitsuya (2015-07-10 10:54) 

ojioji

あっ、mitsuyaさまのコメントが(^_^)(^_^;)
緒形拳さまはぼくのヒーローというか名優の原点です。
大河ドラマ太閤記と源義経、特に父の膝の中で観た弁慶の立ち往生の姿は6歳のぼくには強烈でした。私生活で迷走というのを知らなくて、知らないでおきます。
そうじゃなくて、
原作本は読んだことないのですが、その元になった北槎聞略という書物から、最初に漂着した島での様子が京都堀川高校の入試で出題されたことがあって、印象に残っています。気に入って、塾の国語教材として毎年使いました。
島での記述を読むと、日本人はコミュニケーションが苦手なんだなあというのがよくわかりました。光太夫たちは数ヶ月(^_^;)も、言葉の交流が出来ないまま過ごして、若い磯吉が「エトチョワ」と使うのを見て光太夫がやっと「それは何ぞや」という意味をつかみ、それから何でもエトチョワと尋ねてロシヤ語を覚えていった旨、記されています。三日目、いや3時間くらいで尋ねろよと思いました。その島では、原住民とそれを支配するロシヤ人と、そこに日本人が漂着という、興味深い極限の世界。映画ではそのあたりは描かれていたのでしょうか。
by ojioji (2015-07-10 16:30) 

youyou_s

>mitsuyaさん おお!息子さんも俳優でしたよね。同じクラスで嫌い…彼は性格悪かったんでしょうか。優しそうに見えるのにねぇ。やはり同級生とかの話を聞くと裏が見えて面白いです。あんまり緒形拳さんの演技してる姿を見たことがなかったんですが、なかなか良いですねぇ。

>ojiojiさん 島に漂着してロシア人に言葉を教えてもらうシーンありましたよ!原住民とロシア人と漂着した日本人と。過酷な環境の島でしたが、船を造って脱出しました。意外と原作に忠実な映画かもしれませんね。
次々と亡くなったり脱落していって、結局日本に帰れたのは…二人でした。。。
by youyou_s (2015-07-10 22:14) 

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