映画「グラン・トリノ」クリント・イーストウッド監督主演。頑固じいさんが隣人との交流の中で徐々に変化していく [映画]
「グラン・トリノ」2008年アメリカ映画
★★★★☆(個人評価 ★多めならおすすめ)
監督 クリント・イーストウッド
出演者 クリント・イーストウッド ビー・ヴァン アーニー・ハー
従軍経験のあるウォルトは愛する妻を亡くし一人暮らし。
それと言うのも息子2人とはどうもうまくいかないから。
偏屈で頑固で愛車のグラン・トリノだけを大事にしているウォルト。
ところがある日隣人のアジア系移民の少年と知り合う。
貧しく心開かない彼はギャング団から仲間になれと脅されていた。
ウォルトはなぜか彼の面倒を見ることに…。
物をはっきり言ってしまうウォルト。
孫娘のへそピアスを見て眉をひそめる。
ウォルトの息子たちは、頑固で偏屈なウォルトを煙たがっている。
彼らが連絡するときはなにかをせびるときだけ。
ウォルトは妻を亡くしたことで一人ぼっちになってしまった。
こういう年寄は多いと思う。
年を取ると自分より若い者に説教されたり注意されたりしても素直にとれない。
ましてや謝るなんぞ言語道断と思える(私の場合)。
なんかもう今更生き方も変えられないし性格も変えられないし、だんだん卑屈になるし、背は縮んでくるし、遊ぼうにもお金も体力もないし、素直になれないお年頃っちゅーか。
いや、まぁこの映画のクリント・イーストウッドは78歳とかそれくらいの設定なんだけどね。
自分では若いつもりでも結構じいちゃんになってて、力も衰えてるし、うっとおしいじじいだと孫からも思われてるのも薄々感じてて。
年より扱いされることを何より嫌ってて。
でもちょっとは労われよ!と思ってたり。
難しいんだよね、プライドのある元気なお年寄りは。
そんなウォルトは隣に住むアジア系移民少年タオが、ウォルトの愛車グラン・トリノを盗もうとしたことで、彼の面倒を見る羽目になってしまう。
タオはギャング団に仲間になれと脅されていた。
はっきりモノを言わずぐずぐすしているタオにウォルトはじれったく思う。
タオが彼の車を盗もうとしたことで、謝罪のためタオはウォルトを手伝うようになる。
yahoo!映画サイトより画像引用
タオの面倒を見ているうちに、だんだんと隣とも打ち解けていくウォルト。
そしてしつこくタオに付きまとうギャング団とも敵対するように。
yahoo!映画サイトより画像引用
最初は誰が見ても頑固で偏屈で何を言っても逆らってくる、他人から嫌われてしまう老人であるウォルト。
これがまたクリント・イーストウッドにぴったり合ってるんだよねぇ。
完璧。
そして彼が悪口を言いながらもだんだん隣のアジア人との少年少女と仲良くなっていく様子がほんとに微笑ましい。
自分の大事な愛車を盗もうとした少年にさえも徐々に面倒を見始める。
元々悪い人間ではなくて、面倒見もいいし優しいウォルト。
ただ息子たちとは上手く付き合えずに今も仲があまり良くはない。
他人だからこそタオたちとは仲良くなっていったのもあるかもしれない。
yahoo!映画サイトより画像引用
ギャングが関わってきてた時点でなんか嫌な感じ。
元々ウォルトはまったく関係はないのに、愛車を盗まれそうになったり、タオを助けたりしているうちに、ギャングに関わってしまう。
他人の事はほおっておけばいいのに、ウォルトはそれができない。
おそらく従軍経験の罪悪感があるため、余計にそうなんだろうな。
助けられなかった仲間たち、戦争で殺さなければならなかった相手…すべてに対し罪悪感があり救えなかった自分に対し嫌悪感が残っている。
知り合って仲良くなった姉弟のためにウォルトはある決断をする。。。。
途中途中で、亡くなった奥さんからウォルトの事を頼まれたと神父がやってくるんだけど、この人も良い人。
聖職者やから当たり前かもしれんけど。
ウォルトは最初この神父をはなから馬鹿にしていて相手にしない。
でもこちらも徐々に心開いていく。
独りの頑固じじいの生き様があまりにかっこ良すぎて泣ける。
てか泣けた。
おそらく彼は自身の余命があまり長くないことを知っていた。
それもあるんだろうけど、好きになった隣人姉弟を救いたい一心で行動した彼は決してヒーローになりたかったわけでもない。
自分で自分の行動に責任を取れる彼はなんてかっこいいんだろうか。
こういう年寄になりたいものだわ。
…無理だけど。
とりあえずラストは泣けます。
ほんっとにかっこいいじいさんです!!
感動。
わたちもかっこいいじいさんになりたい←あなたはばあさんでしょ…
【本映画過去記事】
☆本「甘い鞭」角川ホラー大石圭 女子高生を地下室に監禁し飼う男…
☆映画「はやぶさ/HAYABUSA」7年の月日をかけて小惑星のサンプルを持ち帰った小惑星探査機はやぶさを見守ってきた人たち
☆映画「ナイトミュージアム」博物館の展示物たちが動き出す!夜間警備員は大慌て!
グラン・トリノってこんな車です↓
グリーンライト モデルカー 1/43 ワイルド・スピード MAX:1972 フォード グラン トリノ(再販... |
クリント・イーストウッド、ダーティハリーからのファンですよ(*^^*) カッコよくて渋くてストイックで……と思ってたらすっげー若い奥さんもらったりして(・.・;) でも大ファンです(*^^*)
by mitsuya (2015-06-10 08:48)
>mitsuyaさん ほんっとにかっこいいですよねぇ。おじいさんのイメージしかないけど、めっちゃステキ。
頑固で嫌われ者のじいさんっていうのもハマり役ですわ。お調子者のクリントイーストウッドなんて見たくないですもんね。私も大好きです^^
by youyou_s (2015-06-10 18:27)
ごぶさたしてますー。
豆入れさせて下さいw
タオ一家はベトナム戦争後に弾圧されたモン族で(グラントリノのストーリー中にも話がサラッと出て来ます)米国が大人数を事実上保護しました。
有名な映画の『地獄の黙示録』で主人公に協力する部族がモン族です。
自動車工、コワルスキーと言う名はスラブ系で、実際アメリカの自動車業界はスラブ系が多いので細かくディテールを作ってるなぁと思いますー
クリント・イーストウッドはディテールをしっかり揃えてくるのが好きです。
by フォレスト (2015-09-06 23:38)
>フォレストさん コメントありがとうございます!そうなんですか。背景もしっかり作りこんでるんですねぇ。イーストウッド監督作品は深くて考えさせられる作品が多くて好きです^^
by youyou_s (2015-09-07 08:10)