SSブログ

映画「小さいおうち」昭和初期、女中さんを置いていた小さな赤い屋根のおうちのお話 [映画]

ダウンイベントごとの商品紹介してます。見に来てねダウン


 

「小さいおうち」2014年日本映画

★★★☆☆(個人評価 ★多めならおすすめ)

監督 山田洋次
出演者 倍賞千恵子(晩年のタキ) 黒木華(タキ) 松たかこ(時子)  妻夫木聡 吉岡秀隆(板倉)

昭和初期、田舎から出てきた娘を女中として置いていたころのお話。
山形から出てきたタキは赤い屋根の小さいおうちに住み込みで働くことになる。
その家は玩具会社に勤めるご主人、綺麗な奥さま時子、そして息子の3人暮らしだった。
平穏で穏やかな毎日だったが、着実に戦争へと日本は進み始めていた。
そんな時主人の部下である板倉が家を訪れ、時子は彼と恋に落ちてしまう。

昭和初期には家に女中を置くのが普通だった…と。
いやいや裕福なおうちだけでしょ…。
高齢になったタキが自叙伝を書くということで、過去にさかのぼっていく。
時折現在のタキと甥(?)が絡みながら話が進んでいく。
小さいおうち2.jpg
タキが山形の田舎から東京へと出てきて女中奉公するのだが、その家が赤い屋根のモダンな可愛い小さな家だった。
そこでの出来事を晩年のタキがノートに綴る。
それを妻夫木演じる健史が助言をしながら読んでいく。
戦争が始まって…というが、戦争らしいシーンは家に爆弾が落ちてくるところだけ。
それも見るからに花火になっていて、違和感が。。。。
貧しい生活を余儀なくされたというが、元々裕福だった時子一家はみじめな生活を強いられているようには見えない。
反戦映画ではあるのだろうけど、それよりも昭和初期から戦争にかけての時代を一見別世界のようなゆるやかに流れる時間と、お嬢様育ちであろう可憐な奥さまである時子が、他の男性に心惹かれていくさまをタキの目を通して描かれていく。
小さいおうち.jpg
映画.comサイトより画像引用
 
とにかく松たか子が綺麗、可愛い。そして上品。
やはりこの人は本物のお嬢様やから、こういう役は本当に似合ってるねぇ。
タキ自身も田舎から出てきたのだろうけど、やはり立ち居振る舞いが上品だった。
黒木華さんがタキを演じているんだけど、この人もまたすごい役者さんだと思う。
女中であることがこんなにぴったりしっくりくる人がいるだろうか。
出しゃばらず、それでいて可愛く、粗忽さや下品さもなく、純朴で純粋で、この人と松たか子ゆえの映画だと思った。
二人とも日常のなにげない仕草でも言葉づかいでも上品でがさつなところがなくてうっとりしたわ。
ほんとならタキはもっとガサツで粗忽でも良さそうな感じやけどね。
ちょっと上品すぎた?
でもこの映画には合ってた。
上流階級育ちであろう時子やその姉、親戚、ちょっと庶民とは離れた場所にいるような雰囲気。
それでも戦争は容赦なく日々の暮らしを壊し始める。
不穏な時代でも、時子たちは、お買い物に出かけたり、コンサートを聴いたり、レコードでクラッシックを聴いたりととても優雅な暮らしを送る。
夫が連れてきた会社の部下である板倉は、文学青年ぽく芸術肌っぽく、お嬢様が気持ちを持っていかれてしまうのも納得の感じ。
よくありそう。
ご令嬢と、売れない画家とか作家とかさ。
そういう身分違いの恋。
なぜか令嬢は自分と同じ階級のエリートよりも、繊細さを持った芸術家に惚れるんだよなぁ。。
きっとあまりに恵まれた生活で育ってきて、自分にないものを持っている男性に惹かれるんかも。
時子も恋に溺れるかに思えたけど、周囲の目は厳しく、板倉をお茶をしているだけでも噂になり叱られる始末。
それでも板倉の下宿に通い、身体の関係はあったよう。
これがまた直接的ではなく、出かけた時の帯の模様が反対になっていた…という、本当に上品なそれでいて妙にエロい感じの間接的な浮気バレシーン。
それに気づいたタキが思い悩むのだけれど、タキは時子が好きだったんだろうな、と思える。
板倉の事も好ましくは思っていただろうけど、それよりも綺麗な奥さんに淡い気持ちを持っていたんじゃないかな。
時子の足をマッサージするシーンで少し示唆されているのと、時子の親友の前で泣いたシーンでも。なんとなく。
一生結婚しなかったことでもあながち間違ってる想像でもないと思うけど、どうだろうね。
小さいおうち3.jpg
映画.comサイトより画像引用
ただこの映画は丁寧に説明してくれる部分としてくれない部分があって、そのひとつがタキの気持ち。
泣いたりはするけど、本当はどう思っていたのか、考えていたのかは明かされないまま終わってしまう。
自叙伝に詳しく書いてはいるけど、自分の気持ちを書いているわけではなく、起こったことを書いてるだけ。
最後の手紙にしてもなぜそうしたのか…タキの考えはわからないまま。
そこがちょっともどかしいと言えばもどかしいかな。
タキが生きているうちに、坊ちゃまと逢わせてあげて欲しかったな…というのが最後の感想です。
ただ感動したかと言えば感動してないし、泣けてないし、なんかちょっと別世界の出来事を覗き見た感触が残る映画でした。。
ルナ117.jpg
ペットは出てこない映画だったにゃ

 

今ハマっているのがこれ。朝食にぴったり
しかも美味しい!!



nice!(10)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 10

コメント 2

mitsuya

評価の難しそうな作品ですね。この映画はタイトルも知りませんでしたけど、youさんも感動しなかったということですので思い出したら見てみようかな〜リストに入れておきます(^_^)
by mitsuya (2015-05-05 01:35) 

youyou_s

>mitsuyaさん 感動シーンはなかったですね。淡々と進む映画。でもああいう生活を覗き見れた…というので面白かったです。普通戦争映画ってみんな貧しくて食べるものもなくて…というものなのに、この映画はあくまで優雅でしたから。
by youyou_s (2015-05-05 09:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0