本「トム・ゴードンに恋した少女」スティーブンキングのホラー。広大な自然保護区で行方不明になった少女。 [本]
「トム・ゴードンに恋した少女」著者 スティーヴン・キング
★★★★(個人評価 ★多めならおすすめ)
両親が離婚した9歳の少女トリシア。
母親と兄と一緒に自然保護区へ遊びに来る。
口論の絶えない兄と母に気がつかれもしないで
トリシアは森の奥深くへと彷徨ってゆく。
ほんの少し遊歩道を離れ用を足しに森へ入ったがために遭難してしまう少女。
ありうるな~。
そして少女の過酷なサバイバルが始まった。
襲い掛かるスズメバチ、真っ黒な雲になってつきまとう蚊の大群、乏しくなる食料、水。
そして少女を喰らおうとつきまとう、キングらしい「あれ」の存在。
大抵キングの作品には”悪”が出てくる。
今回悪の象徴は「熊」
執拗に少女を狙う。
少女にはただの熊に思えない。
それは悪魔の化身として描かれる。
少女はいつしか現実と幻覚の区別がつかなくなっていく。
そして過酷な状況の中少女はいつしか強くなっていく。
一気読み。
途中で止められない。
少女に感情移入してしまい、早く誰かに助けて欲しいという焦燥感に襲われる。
自分が遭難したら…怖いわ~。
親の気持になってみても怖いわ~。
しかしキングはおっさんやのにどうして少女の思い機微を詳細につかんでいる(ように見える)のだろう。さすがだ。
キングにもはずれはないな。
今までキングを読んだことのない人にもおすすめ。
ホラー色が弱いからね。
グロもないし。
殺人もないし。
それでもこれだけの恐怖感を煽れるのはホラーの帝王キングだからかも。
わたちが迷子になったら助けに来てにゃ!
【本映画過去記事】
☆本「夜は甘き薫りを」正体不明の仮面のヒーローは一体誰?
☆映画「ロック ~わんこの島~」三宅島噴火により離れ離れになった飼い犬と少年の物語
☆本「始末屋ジャック 深淵からの脅威〈上〉〈下〉」異世界の者たちと戦う始末屋ジャック
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